福島県田村市は令和2年3月3日の定例会にて、田村市消防団の現状と課題について質疑応答をしています。
市は長期間の訓練を伴うポンプ操法が団員確保を阻害する要因の一つであると認識しています。現在、消防団検討会を立ち上げて、団のあり方そのものの改革をすべく活動しており、令和2年度中に一定の方向性が示される予定とのことです。
田村市 令和2年3月定例会 03月03日-03号
ー議員ー
田村市消防団の現状と課題について。
有事の際、献身的に活動をいただいている消防団活動について、団員確保が年々厳しい状況にあり、現状維持は困難であると思われます。
そこで質問をさせていただきます。
(1)消防団検討会の進捗状況についてお伺いいたします。
(2)消防団確保に向けての取り組みについてお伺いいたします。
ー市民部長ー
初めに、消防団検討会の状況について申し上げます。
近年の急激な少子化や就業構造などの変化により、消防団活動でも地域の実情に即した機能的な団員や車両配備が求められており、昨年7月から消防団幹部を中心に組織や行事を見直すための検討会を立ち上げ、これまでに4回の会議を開催しております。
検討会では、各地区隊の現状と課題、将来にわたりあるべき姿を想定し、10年、20年先を見据えた持続可能な組織となるよう協議を重ねており、来年度には、団員数を初め、分団構成や行事に関して一定の方向性が示される予定となっております。
次に、消防団員確保に向けた取り組みについて申し上げます。
少子化に加え、いわゆる跡取りが存在しない家庭がふえてきていることで、団員候補者の絶対数が減少しており、加えて近年の若者はボランティアや社会貢献の意識は高いものの、一方では飲酒や団体行事を敬遠する傾向が強くあると言われており、これまでの消防団のあり方が足かせとなり、団員確保を阻害する大きな要因の一つであると理解しております。
特に、長期間の訓練を伴うポンプ操法にあっては、毎年今の時期に市に直接廃止を訴える要望が届いており、火災現場での的確な行動と団員の安全を第一に考えて実施している消防団幹部の思いとは裏腹に、就業上の制約から入団を拒否する大きな理由の一つであると推察しております。
こうした背景の中、本年度においては、県の事業による消防団協力企業からの団員向け優待券の配布や、田村市成人式では消防団員募集のパンフレットを配布するとともに、消防団検討会において、団員確保のためにどのような方策が有効であるか、団のあり方そのものの改革はといった協議を行っておりますので、具体的な取り組みについては、今しばらく猶予をいただきたいと思います。
このような改革を進めようとしている消防団には、消防団等充実強化アドバイザーである古村幹夫氏に助言頂くと良いかと思います。
以下は田村市ホームページ記載された市民の声とその回答です。
声を上げる事から改革は始まります。
H30.1受付分
ー生活環境課 電話要望ー
消防団員を10年やっており、退団したい旨を何度も申し出ているが「人 がいない」との理由で受け入れてもらえない。活動も休めるような状況で は無く、消防の行事を最優先せざるを得ない。
これから、ポンプ操法の練習が始まるが、朝4時頃から参加しなければ ならず仕事にも支障をきたす。自分は、やりたくてやっている訳でもなく、 毎日朝早くからポンプ操法の練習をやることで、体調を崩したり、仕事中に事故を起こすなどしたら、市で責任が取れるのか。
消防団としての活動も多く、周りでも辞めたがっている人がいるが、地域とのつながりが強いため、無理に辞めることで、地域での人間関係が崩れてしまうことを危惧して簡単には辞められない。 消防団のあり方について、見直してほしい。
ー回答ー
1.消防団の退団について
退団については、具体的な在職年数や退団理由などの明確な決まりはなく、 各部の判断により市に報告されますが、新入団員確保が厳しさを増す中、団員歴が長期にわたることは、消防団の持続的な運営にあたり支障になるのではと危惧するところです。
市としては、仕事を持ちながら地域の安全安心のため活動している団員 個々の事情等は考慮されるべきだと考えますので、退団についてはその事に配慮するよう消防団へ要請します。
2.ポンプ操法について
ポンプ操法大会については、消防団が主催する事業であり、訓練は各地区 隊、分団等の方針により実施されています。 ポンプ操法は消防団の重要な訓練である一方、訓練の大変さが団員の負担となっていることも認識しています。 市としては、先に実施した消防団アンケートでも同様の趣旨のご意見があったことから、家庭や仕事に支障をきたしたり、身体的、精神的に過大な負担とならないよう、十分な配慮と工夫をして実施するよう消防団へ要請します。なお、消防団アンケートの結果や消防団員のご意見を踏まえ、今後、活動の見直しや、組織改革を進めていきます。
H30.3受付分
ー生活環境課 メール受付ー
消防のポンプ操法について船引町だけ予選があるのはなぜか?
早朝からの練習で、仕事への影響、また家族への負担が大きい。仕事で失敗をし、家庭で失敗した場合には誰が責任を取るのか。
あくまでも消防はボランティアであるし、負担をかけてまでポンプ操法をやる必要はあるのか?船引町だけ予選があるのもなぜか?
ー回答ー
ポンプ操法大会については、消防団が主催する事業であり、予選会は、各
地区隊の方針により実施されています。
ポンプ操法は消防団における重要な訓練である一方、団員個々が置かれて
いる労働環境や生活環境から負担が大きくなっていることも認識しています。市としては、先に実施した消防団アンケートでも同様の趣旨のご意見があったことから、家庭や仕事に支障をきたすことや、身体的、精神的に過大な負担とならないよう、十分な配慮と工夫による軽減策を消防団へ要請しています。
なお、消防団アンケートのご意見を踏まえ、今後、活動の見直しや、組織改革を進めていきます。
H30.4月受付分
ー生活環境課 電話相談ー
現在、消防操法大会の朝練があるが、自分は市外に住んでいて、仕事が夜遅くまでかかることもあり、なかなか朝練に参加することができない。そのことにより、周囲から怒られた。 また、消防団をやめさせてほしい旨を相談したこともあったが、やめさせてもらえなかった。 こういった場合はどうすればいいのか市としての回答やアドバイスがほしい。
ー回答ー
今回の対応は、部や班の考えによるものですが、まず、ご自分の環境を優先するべきと考えますので、改めて部や班へご自分の状況をお話しください。 団員がおかれている状況について、団と行政が情報を共有し、消防団活動に理解が得られるよう団長、団本部と協議し組織の見直しを進めてまいります。 市としては、団員の確保のためにも、団員の負担が軽減されるよう、活動の見直しも併せて消防団と協議してまいります。
田村市消防団の情報はこちら
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