海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

山形県東田川郡 三川町

山形県東田川郡三川町では、令和2年第1回議会定例会にて、消防団の団員確保の取り組みについてと、女性消防団の設立目的と現状、課題についてを質疑、討論しています。

 

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本町や団は、消防団員の確保が進まないのは、消防団活動の行事が多く、活動の多忙化を感じる若い世代が増えているためと認識しています。

その為、庄内支部大会、操法大会の見直し、県段階での活動の見直し等を検討しているが、訓練が必要である現状を後退させたくないという思いもあるとのこと。

 

操法の訓練は大会が無いとできないのでしょうか?

「大会」の為の訓練は、「競技と化した操法の練習」でしかありません。

そして大会で勝ち進むことを望むお偉いさんや、消防団OB等の期待に応える為に過度な練習をせざるを得なくなります。

競技の操法ではなく、実践に必要な訓練と安全教育を効率よく行うことで、団員の負担を下げることができます。そしてその地域の特性に合った訓練をすることも可能となります。

大会を肯定する方がよく口にする「士気の高揚」や「規律」なるものは、大会をすることしか知らない人間の詭弁であり、大会の会場に整列する団員をみて統率力に酔いたいだけです。今一度、地域の安心と安全を守るという消防団のあるべき姿を考えてみてはどうでしょうか。

 

 

 

その他に、団員の確保が難しいので、班編成の見直しをしてほしいという声が出ており、具体的な見直しはこれからの検討となるが、消防ポンプ自動車関係が団員数を多く必要とする為、消防ポンプ自動車を積載車に変える、あるいは積載車を軽積載に変える、そういった装備の見直しも含めて、今後課題解決に向けて進めていくべきだと考えています。

 

消防団の主力装備は、「ポンプ自動車」と「小型ポンプ」であり、操法大会もこの2つの種目がありますが、ポンプ自動車って必須装備なのでしょうか?

性能が良いのはわかりますが、ガタイが大きくて、地域によっては取り回しに難があります。そして一台2000万以上もする。小型ポンプが10台以上買えます。

操法大会の種目としてあるから購入している地域はありませんか?

大規模災害時にそのポンプ車を有効に活用できる地形ですか?

誰でも簡単に扱えるものを多く装備したほうが、いざというとき役立つし、訓練時間の削減にもなると思います。

 

 

 

女性消防団についても議論されています。

女性消防団員の募集のチラシには、応急手当普及員、また高齢者への防火啓発員というような活動を期待しており、有事の際、災害発生時にも原則現場では作業は行わないというような説明書きがありながら、全国操法大会を目指すという一文があることへの質疑がありました。

本町としては、災害時の現場対応を求めていないが、団幹部が大会に出場させたい思いがあるとのこと。

 

全国女性消防操法大会は、昭和60年に第1回大会を開催し、平成9年以降は2年ごとに開催しています。

女性消防団員にそこまで操法をさせる必要があるのでしょうか?

消防庁、日本消防協会が主催し、47都道府県の代表を出場させるために都道府県へ要請が行き、末端の市町村へ要請が行く構図。お上の言うことに従わざるを得ない、または従うことが規律であることと勘違いしている団幹部によって女性団員が多大な負担を強いられている現状。

消防庁、日本消防協会はいったい何がしたいのか理解に苦しみます。

 

 

 

令和2年第1回議会定例会

ー議員ー

次に、消防団員についてであります。定員 300 名のところ、現在 286 名の登録、充足率では 95.3%というようなことでありました。消防団でありますけれども、近年、局地的な豪雨、また台風などの自然災害が頻発しまして、地域防災力の強化が喫緊の課題となる中、消防団というものの重要性が改めて認識されております。先日の火災での出動もそうでありましたが、消防団は仕事を持ちながら個人の時間を犠牲にしながらも消防業務に従事されておりますし、災害にいち早く対応できる地域の災害対策の要となっております。操法大会や演習に向けての真剣な訓練の様子は団員のものだけでなく、その練習風景を見ながら住民たちにも地域の防災意識を向上させるものとなっていると感じます。
また、青年団活動等なくなって以来、地域の同世代の仲間づくりの場としまして、貴重な組織となっておると感じているところであります。全国的に消防団員が減少しているというお話、またその確保には困難を極めているというようなことであります。本町も例外ではないということだと思います。その中で定員を守るために、幹部を経験した者が一般団員へ戻って在籍しておったり、また名前だけの登録で実際活動していない、いわゆる幽霊団員と言われる方たちも増加しておりまして、伴って退職金も増大しているというようなこともあるようであります。このような状況に対して、どのようにお考えであるか、また定員、また団編成の見直しについてどのようにお考えかお聞きしたいと思います。

 

ー総務課長ー

消防団員の定員、団員数の確保ということでのご質問でございますが、今議員が質問の中でもおっしゃいましたとおり、本当に消防団につきましては自分の時間を犠牲にして活動に取り組んでいる姿、大変感謝しているところでございます。また、それを目の当たりにする地域の皆さまについても、やはりそれを支えていこうという気持ちはあるのだとは考えています。ただ現状としてはやはりなかなか団員の確保に進まないという、繋がらない、その要因としてはやはり活動の多忙化を感じる若い世代が増えているのかなと考えています。そういった点では今消防団を組織する庄内支部においても、その問題はいろいろな面で出されておりまして、庄内支部大会、操法大会の見直し、あるいは県段階での活動の見直し部分まで見込んでおります。特に行事が、消防団活動の行事が多いことは現状として認識はしているところでありますけれども、まずは訓練が必要である現状を後退させたくないという思いもございます。そういった面ではこれからも団が団員の確保のためにどのようにしていけばいいのか、団自らが検討もしております。
さらには、現在の班体制におきまして、班長が中心となって団員の確保を行っておりますが、やはり団の方からもその集落、小集落においては団員の確保が難しいので、班編成の見直しをしてほしいというような声が出ております。それに対して、やはり団幹部の方もそれを受けとめ、今後の大きな課題として捉えているところでございますが、令和2年度において具体的にその班編成の見直しみたいなものについては現実的にはまだ動いていないところでございます。ただ本町においては特に消防ポンプ自動車関係が団員数を多く必要とするものでありますので、全国的にはそういった消防ポンプ自動車を積載車に変える、あるいは積載車を軽積載に変える、そういった取り組みはいろいろなされておりますので、そういった装備の見直しも含めて、今後課題解決に向けて進めていくべきだと考えております。

ー議員ー

やはり自分の地域は自分で守るといった精神を強く持っている方々が所属しておりまして、頑張っていただいているのかなと思うところであります。当町の消防団には年齢制限といいますか、定年制はないわけでありますが、定員を守るためにいつまでも退団できないといったこともあるようでございます。活動には支障がないのか、また本人の体調をこちらで心配しなくてはならないようなこともあるわけでありますが、そういった年齢制限的なものは考えておられないのかどうか、1点お聞きしたいと思います。

ー総務課長ー

操法大会の出場員の班員の年齢が操法大会の際には出るわけですが、それを見て50代の方が大会に出場する姿を見ると、本当に大変な現状なんだなというのはその度に認識するところでございます。ただ、現状では定年はないわけでございますので、その地域を自らが守るという意味では、その方たちが残っていただけることに感謝をしているところでございます。

ー議員ー

女性消防団の件であります。現在3名の方が活躍しておられるというようなことでありまして、引き続き募集をされているというようなことでありました。私も募集のチラシを拝見いたしましたが、その内容を見ますと、有事の際、災害発生時にも原則現場では作業は行わないというような説明書きがありました。ただ、1行ですけれども女性消防団の操法全国大会を目指すというような1行がありました。消防団員がどのような訓練をして操法大会に向かっているかというようなことを理解している方にとっては、操法大会の全国大会を目指すといった目標は少しハードルが高いのではないかなと思ます。やはり女性消防団員らしく、女性らしさ、この内容にあるように防火啓発活動、また高齢者の防災教室、園児への紙芝居といった女性らしさのある活動であればもう少し入団を希望する方がでてくるのかなと思いますけれども、操法大会に臨む目的といったものを、どういったものでするのか、実際現場に出ることはないといいながら操法を習得するといったその目的についてお伺いしたいと思います。

 

ー総務課長ー

全国女性消防操法大会が毎年開催されております。これについては平成25年、庄内町の女性消防隊がこれに出場しております。めぐりめぐって庄内地区にまた操法大会の出場が県内地区ごとに回っておりますので、要請があるところでございます。これを受けて、本町であってももし可能であるならば、全国大会への出場を目指す形での女性消防団員があればというような団幹部の思いもあるようでございます。
ただ、先程言ったとおり、本町では女性消防団において、災害時の現場対応を求めていないところでございます。先程紹介した女性消防団が実際に操法大会に出ているのは、特に多いのが言い方は変ですけれども浜通りの漁師の奥さんが組織している例が多かったり、やはり日中のそういった不在の間に女性が地域を守るというような、そういった活動が行われているところについてはその操法大会の出場についても意義があるものと考えておりますけれども、本町のような形でそれを主たる目的としていない団についてはやはり異なるところはあるのかなと考えております。
ただ、最初に申し上げましたとおり、あの広告、お知らせについては、団幹部が女性消防の全国大会の出場を意識して入れてくれというようなことがございましたので、そういったお知らせをしているところでございます。

 

ー議員ー

消防庁から平成16年ですか、消防団員の減少に伴う補充策として女性団員を定員の1割確保するようにといった通知もあったようでございます。やはり先程、今説明にありましたとおり、男性が留守の間、女性が守るといった土地柄であればそういったことも必要なのかもしれませんが、男性団員が九十何%いる本町にとっては、やはり女性団員には女性らしい応急手当普及員、また高齢者への防火啓発員というような、女性らしい活動をしていただくよう、看護師また介護士、またその経験者の方々に入団いただきまして、機能別団員として活躍できるのではないかと思いますけれども、そういった考えについていかがお考えでしょうか。

ー総務課長ー

ただいま議員から紹介がありました、応急手当普及員これについては本町の女性消防団員1名もこれを取得、講習を受けておりまして、現在指導できる立場に立っております。そういった意味では女性のソフトな人当たり、そういったものを活用しての活動というのは十分考えられるものでございますので、町長答弁にもありましたとおり、そういった活動の場の確保をまずは行うべきと考えております。
また、介護士等の機能別団員ということでございました。これについては本町においても操法指導、あるいはラッパ隊、そういった機能別団員を、定員に満たしていない状況を活用して行っているところでございますので、十分考えられる内容だと考えております。

 

 

三川町消防団の情報はこちら

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