海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

奈良県 奈良市

奈良市消防団は、地域の安全・安心のため、消防団員の活動環境の整備等により消防団を活性化する必要性から、奈良市消防団活性化対策等検討委員会を設置し、消防団長より消防団の活性化についての諮問を受け協議した結果を、令和2年1月に報告書にまとめました。

 

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https://www.city.nara.lg.jp/uploaded/attachment/103796.pdf

 

主な検討事項は下記となります。

  1. 災害対応力のある組織の確立
  2. 消防団員の活動環境の整備
  3. 消防団の施設・装備の充実
  4. 消防団員の教養と訓練
  5. 地域との連携

 

現状の課題や、具体的な対策の提案の一部を紹介します。

◆分団員の定数、ポンプ、ポンプ庫等の統合及び適正配置

大規模災害を想定した、より強固な消防団組織とするため、条例定数の見直しや再編、ポンプ及びポンプ庫の新規設置や既存施設の統合等、再配置を検討する。

 

◆費用弁償の支払い方法の見直し

報酬、退職報償金については、現在、個人振込みを実施しているが、費用弁償にあっては、分団長委任払いとし、分団員全員から委任状を(署名捺印)を作成し出動報告に基づき集計を行い、各分団長口座に各団員の費用弁償をまとめて振り込んでいる現状である。
各分団にあっては、分団員に支払われた報酬及び費用弁償等から訓練時の飲料等に充てる消防団の運営費を決められた方法により行なわれている。その方法にあっては、昔ながらの慣習が引き継がれていることが多く、若い人はそれを嫌う傾向がみられ、時代に適応した仕組みに変えていくことが課題である。

 各分団員への費用弁償の支払いについて、時代に適応した仕組みでの支払い方法に見直さなければならない。

 

◆実践的な訓練の実施

消防団員の教育訓練にあっては、操法・礼式訓練等、昔どおりの定例的な形式に終始する訓練内容が多くあり、ひいては、それが、消防団員の参加意欲並びに新規団員の入団促進の障害になっている場合もある。

また、災害が複雑多様化している中で、災害種別に応じた適切な対応や迅速的確な災害対応活動の実施が難しくなっているのが現状である。

教育訓練の充実を図るには、訓練を実施する際、計画段階から消防局からのアドバイスを受けるとともに、専門的資料の提供、指導者の派遣等を受けて実践的な訓練を行える協力体制の整備を図る必要がある。

また、局及び本団が実施する各種研修会等には積極的に参加し、情報交換を活発に行うことも必要である。

 

◆更なる救命効果向上のための救命講習等の実施

奈良市では毎年 20,000 件以上の救急要請があり、年々増加傾向にある。

救急車の現場到着所要平均時間は8~9分であり、心臓停止後約3分で50%が死亡するといわれていることから、。救命効果の更なる向上のためには「救命の連鎖」つまり、バイスタンダーによる迅速な通報と応急手当が不可欠である。このことから消防団員は心肺蘇生法(AED を含む)やケガの応急手当の方法を習得するために、普段から教養・研修の実施が必要である。

 

 

この報告書の最後に「むすび」として以下のことが書かれています。

本委員会では、社会環境の変化、地域社会のニーズ等に的確に対応していくため、奈良市消防団が変革を遂げる必要があるとの視点から、現在、奈良市消防団が抱える、課題や新たな取り組みを検討した結果、具体的な対策を提案いたしました。

この提案を活用され、時代に即したより魅力ある消防団づくりに積極的に取り組み、消防団の活性化を図っていくことが、消防団の充実強化、ひいては地域住民の安全安心な暮らしの実現に寄与するものであることを確信し、今後の奈良市消防団の更なる活躍を期待します。

 

 

奈良市消防団の情報はこちら

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