海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

岩手県 北上市

岩手県 北上市の令和元年度12月通常会議(第246回) にて、消防団の省力化について議論がされています。担い手不足からくる高齢化と個人負担の増加で危機的状況の消防団ですが、装備ややり方を改善することで団員の負担軽減を図ろうとしています。

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令和元年度12月通常会議(第246回)

ー議員ー

消防団員の活動の省力化について。近年全国的に災害がふえてきており、当市の消防団の出動件数の増加も想像されます。その消防団においてたびたび充足率が注目されますが、災害時はポンプの設置やホースの展張など、経験以外にも体力が必要です。迅速な災害対応には団員の平均年齢も大切と考えますが、現在当市の団員の平均年齢は何歳で、10年ほど前と比べて幾らくらい違いがありますでしょうか。
 また、人員不足や体力的に負担の少ないホースカーやしょい子式ホース搬送機等の省力化に効果がある装備の配備の考えはないでしょうか。先ほどの運転免許の質問にも係るところですけれども、災害現場にて車両が入れずに、人力にてポンプを水利に何十メートルも運ぶことがよくあります。これからの車両更新を進めていく上で、地域にもよりますが、狭小な場所にも進入できる軽車両ベースの消防車の導入の考えはございませんでしょうか。また、地域からの要望はないでしょうか。

 

ー市長ー

消防団員の活動の省力化についてでありますが、団員の平均年齢につきましては、平成31年4月1日現在の消防団員の平均年齢は42.9歳となっております。平成20年度の平均年齢は40.8歳となっており、ここ10年で平均年齢は2歳上昇していることから、今後も若手団員の確保が重要と考えております。
 省力化につながる装備の配備については、消防署や消防団のポンプ車が進入できないため、消防団の小型ポンプを人力で運び、消火に当たった事例もあり、小型ポンプやホース等の運搬を省力化するための資機材が必要と考えております。さまざまな災害の状況を想定しつつ、どのような資機材が有効なものとなるか研究していきたいと考えております。

 

ー議員ー

それでは、省力化のほうについてお聞きします。例えば省力化に係るホースカーとかしょい子式のホース搬送機というのをこれから研究していくという、金額、お金の部分もあるとは思うのですけれども、実際経験された方、あとは見られた方、結構大変な思いされているというのは多分御存じかとは思います。

実際に皆様多分消防のポンプ操法大会とかで見られると思いますけれども、可搬のポンプでもホースは3本、ポンプ車で6本、それを丸くやっているホースを担いで走ってというのをよく競技のほうで見ると思いますけれども、実際の現場ではそういうことは余りなくて、3本で終わることはまずない。あんなホース1本1本担いで走るって、走るには走るのですけれども、たった1本を持って走るというのはとても効率が悪いのです。

数年前から消防団のほうでもつづら折りの搬入の仕方というのでしょうか、今まで丸めていたホースを現場では今度はつづら折りにして、それを2本分担いで走りなさいというような感じで、そういうつづら折りの格納の仕方でも今準備はしております。

ただ、それも手で担いで走るとなるとやはり2本が限界なのかなと。1本に比べればかなり倍ですから全然違うのですけれども、でも2本で終わることもないので、できるだけ楽をと言ったら変なのですけれども、そのとおりだんだん高齢化になってきていますので、できるだけそういう何往復もするような事態を避けたいというのが本音でございます。
結構消防関係の器具を扱っているホームページとか、あとはいろんな自治体のホームページを見るのですけれども、消防車に大きいところだとホースとか、ちょっとこれは車両によっては改造して牽引とか、あとは縦に積むのの改造しなければならないようですけれども、またはしょい子型のホースの格納器、これは本当に背負ってやるものなのですけれども、そういうのが配備されているなと。

当市のやつを見ると全然そういうのはないので、そういうのがあったほうが何往復もして5分かかるのであれば、1回で3分で終わらせたほうがとても効率もいいし、スピーディーだなと私は感じております。

格納するホースは大体8本から10本、しょい子型だと私が見たところは3本、ちょっと人によってはつくられているところもあって、そういうところは4本というところもあるようなのですけれども、そんなに金額も余り高くないようだなと思っておりますので、ここはぜひとも前向きな方向でちょっと考えていただきたいなと思っております。

大会のように平らなアスファルトの環境のいい場所での災害というのはまずほとんどありませんので、山だったりくねくね曲がっていたり、もう環境が悪いところがほとんどでございます。

多分これから調査研究ということですので、もう一度前向きというか、検討の余地はちょっと多目にとってもらえればなと思うのですけれども、いかがでしょうか。

 

ー消防防災部長ー
ホースを搬送する器具の導入についてということで、活動の省力化につきましてはこれまでも、例を言いますと放水する筒先をストレートノズルから無反動ノズルにかえたりとか、あとはホースや吸管も軽量化を図ってまいりました。また防火衣のほうも性能を高めて、また軽量なものをとやって、徐々にそういう省力化、軽量化を図ってきたところでございますので、今後も消防活動の安全性を考えますと当然省力化も必要でございますし、団員の皆様のけがを防止するためにも当然必要なものでございます

メーカーのほうでもいろんなものを開発しておりますので、その中でやはり一番いいものを、使い勝手のいいものとかは、省力化のためには導入していく必要があるとは考えておりますので、その中で我々としても新たな資機材を注視しながら導入に向けて考えていきたいというふうに考えております。

 

実践で効果的で効率の良い装備や方法があるにも関わらず、ポンプ操法大会で披露する操法は、昭和からほとんど変化がありません。

 

議会の中でも出てくる、ホースの巻き方・展張・延長要領や筒先の仕様だけでなく、走って伝える伝令や、何がしたいか意味不明のとび等、有事の際にあまり効果的でない操法大会用の訓練が、今の消防団活動の大半を占めている事実。

 

どうせやるなら現代の最適な消火要領で、実践にそのまま生かせる操法訓練をしたいと、多くの消防団員が考えるのは当然のこと。

 

いかに消防庁や消防協会が、大会をただのイベント事と考えているかが伺えます。

そんなことに多くの時間を費やすことが消防団のすべき活動でしょうか。

 

 

 

北上市消防団の情報はこちら

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