海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

兵庫県 加西市

加西市(かさいし)は、消防団員の処遇改善などを議論する為に、加西市消防団あり方検討委員会を平成31年に立ち上げました。この委員会の提言を令和2年3月に報告しています。

 

f:id:KaibaraTomoaki:20201017133825p:plain

 

http://www.city.kasai.hyogo.jp/04sise/41iink/files/06syob/06syob-01.pdf

 

地域防災の中核を担う消防団に関して、組織、活動、団員の処遇改善、人員の確保、資機材の整備等を幅広く検討するため、市民、消防団員、地域組織の役職者、有識者等からなる「加西市消防団あり方検討委員会」が設置されました。

 

以下は報告書の抜粋

 

1.消防団員の処遇改善について

(1)団員報酬について

北播磨地域の各市町(西脇市・三木市・小野市・加東市・多可町)と比較すると、特に班長及び基本団員の年額報酬が著しく低額であった為、増額されることを提言しました。

 

(2)出動手当の創設について

加西市では消防団員への報酬・弁償は、年額報酬しかありませんでした。消防団員が実際に出動し従事した場合に、その活動実績に応じて各団員に支給する出動手当を新たに創設されることを提言しました。

 

(3)報酬支払方法の適正化について

加西市消防団においては、団員報酬の受領に関して、全ての部において、所属の各団員から委任状を徴収してそれぞれの部が一括して受け取ったうえで、地元自治会等からの助成金等とともに各部の運営財源として処理してきた経過があります。

団員報酬は、本来、各団員が個々に受け取るべき報酬であり、個人への支給を厳格に行う上から、団員報酬及び新設の出動手当は、団員個々の口座に直接支給されるよう提言しました。

 

 

4.消防団活動のあり方について

常備消防がある程度充実してきている状況のもと、かつてのように身近に発生した火災については、全て自分たちで消火するというイメージは払拭され、消防団としての消火活動は常備消防の補助的役割を担うとともに、残火処理等が主な任務となってきています。
一方近年、全国各地で大規模な地震や風水害・土砂災害などの自然災害が多発している状況に鑑み、地域防災の中核的な存在である消防団の活動にも変化が求められ、地域の安全安心を考えるうえにおいて、その役割は更に重要となっています。
このような状況を踏まえ、当検討委員会では、今後の消防団活動のあり方について次のように提言します。
なお、現状の活動状況においても、一部で団員及びその家族に大きな負担感を伴っており、そのことが団員の確保を困難としている要因ともなっている状況が見受けられます。消防団及び消防団員に求められる今後の役割の重要性に鑑みれば、従来の訓練等のあり方も含め、負担軽減に資する対策が重要かつ緊急な課題であります。

 

(1)組織再編

地域における防災力、特に昼間の消防力・災害対応力の低下を補うためには、消防団員経験者、消防署の退職者、市の職員、地元企業の従業員などにより編成された機能別消防団の組織化が有効である。

 

(2)入団及び退団等の基準について

加西市は、団員の入団年齢を条例で18歳以上と定めていますが、退団年齢は定めていない。消防団員の確保が難しくなることが予想される中で、定年制度は導入すべきではない。

 

(3)訓練等に係る活動内容

現在、消防団の訓練は、消火活動が中心となっているが、これからの消防団活動にとっては、消火に関する技術や能力に加え、地震や水害などの自然災害にも対応出来る知識や技術も重要となってくる。

 

 

今回の委員会の報告のなかでは、現状の消防団活動で団員及びその家族に大きな負担感があり、団員の確保を困難としていると認識されていますが、その解決策があまり提示されていないことが残念です。

 

大規模災害への対応力も今後必要であり、団員数の減少とあいまって、これからもっと消防団員とその家族に大きな負担が来ることが容易に想像できます。

 

加西市では、以前からこの問題が取り上げられています。

 

平成 27年 2 月  議会報告「市民との意見交換会」

http://www.city.kasai.hyogo.jp/gyosei/gikai/05kaik/03houk/files/03houk_2702_enqu.pdf

若い世代(働き世代、子育て世代)の人々が加西市居住を嫌がる大きな理由として、加西市の消防団問題がある。話を聞くところによると、30 代で加西市内に住むことが可能な人でも、消防団に入るのを避けるため、40 代後半から 50 代まで市内に住まない人もいるらしいです。私の住んでいる自治会の消防団で、都市部から市内の妻の実家へ引っ越してきた人がいるが、その人に「加西市に来て不満を感じる事はあるか。」と聞いたところ「消防団に入らなければならなかったこと。消防団のことを知っていたら、加西市に転入しなかった。」と言われた。消防団が若い世代の加西市居住を妨げる理由となっていることは明らかです。

 

平成 30 年 8 月  議会報告「市民との意見交換会」

http://www.city.kasai.hyogo.jp/gyosei/gikai/05kaik/03houk/files/03houk_3008_01ki.pdf

 消防団の活動は、出火の際の初期消火と、鎮火の後の管理が主な仕事です。礼式大会や操法大会等、最近若い消防団員から不満の声が上がっている。それにどう対応していくか、これからの課題である。

 

今後も消防団のあり方について議論を重ねてほしいです。

 

 

加西市消防団の情報はこちら

f:id:KaibaraTomoaki:20200517001906p:plain

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以下のキャンペーンに賛同をお願いします!
「全国消防操法大会の廃止」
http://chng.it/Kx45cBjj
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ブログランキング・にほんブログ村へ