島根県雲南市の市議会(令和2年3月定例会)の中で、消防団員からは操法訓練の必要性は認めるものの、競技となる「操法大会」は家族等も含めて負担が大きく不要であるとの意見が圧倒的に多いとの報告がありました。今後の雲南市消防団の取り組みに期待します。
令和2年3月定例会(第3日 3月2日)
ー議員ー
私も、毎年消防団の出初め式に出席させていただき統制のとれた整然とした行動を見せていただきますと、身の引き締まる思いとともに感激を覚えるものであります。戦後直後、常備消防を備えた市町村はほとんどなかったため、消防団の役割は極めて重要なものでありましたが、その後急速に消防の常備化が進められ、全国的に見るとその率は現在98%とのことであります。
そうした進展の中で、消防団の社会的役割は徐々に低下してきたと思われておりましたが、その認識を覆したのが阪神・淡路大震災であり、大規模災害時は行政だけでは対応できず、消防団の助けが不可欠と再認識されたところであります。
私は、かつて地元の団員の皆様に雲南市広域消防で北と南に消防署が配備されたことに伴って、消防団はもはや必要ないのではないかと聞いてみました。ですが、これは私自身が消防団の経験がないという引け目もありましたけども、団員の皆さんの答えは一様にノーでありました。こうした若い人たちの使命感の高さに敬服したところであります。
しかし、今や社会情勢の激しい変化の中で地元で直ちに出動できるような例えば専業農家などは少なく、地元の会社勤めの方ならまだしも松江や出雲に通勤する者までを含めての組織は必ずしも実働性が担保されているとは言いがたい面もありますが、そうした仕事を持ちながら、ボランティア消防団員の皆様の日ごろの活動には敬意を表するものであります。
消防団員の皆さんは、当然操法自体は消火の技術として習得すべきものであると認識はしておられるが、操法を競技にすると家族等も含めての負担が大きく不要ではないかとの意見が圧倒的であります。訓練自体、実践的なものはまだしも形式的なものは意味が薄く、訓練のための訓練になっているとやゆされるところであります。それよりも、予防に対する啓発活動に重点を置くべきとの声もありました。こうした意見を踏まえ、操法大会について一考の余地はないか見解を伺いたいと思います。
ー防災部長ー
消防団活動についての御質問でございました。
その中で、消防操法大会については本来の趣旨といたしましては、火災現場におきまして消防機械器具の取り扱いや消防操法技術の習得を図るということでございまして、火災防御の万全を期すことを目的として実施されるというものでございます。
この消防操法大会の出場に際しましては、厳しい訓練のもと団員の方々はもとより御家族、地域の皆様の御協力があってこその取り組みだと考えているところでございます。
御指摘の点につきましては、まず消防団としての御意見を伺ってまいりたいというふうに考えます。
なお、社会情勢の変化に対応することも含めまして、実働性ある消防団として地域に即した形でどうすべきかなど、消防団の組織見直しにおいて検討もいただいているところでございます。
ー議員ー
消防につきましては検討いただくということでございましたので、いわゆる地元の切実な若い団員の皆様の意見を十分反映して御検討いただきたいと思います。
令和 2年3月定例会(第1日 2月27日)の市長所信表明の抜粋
ー市長ー
近年、少子高齢化や人口減少に伴い、消防団員の確保が困難になりつつある中、持続可能な消防団組織の構築に向け、雲南市消防団において、地域の実情に即した方向づけや消防力の低下を招かないことを考慮した組織再編の検討を進めていただいております。今後も継続的に諸課題の整理、検討を行いながら、令和3年4月の新組織体制へ移行する考えであります。
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