海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

京都府 綾部市

京都府綾部市は消防団活動について消防団や活性化委員会、市議会等で議論しながら改善を続けています。古くは平成6年に綾部市消防操法大会を廃止、平成25~27年には団長点検の見直し検討等々。自分たちの地域の消防団はどうあるべきかを議論する風土が綾部市にはあります。

 

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 綾部市消防操法大会は昭和40年に始まりました。しかし、特定の団員に負担が偏る、また地域、仕事、家族の負担が大きいなど課題があり、この大会を平成6年に廃止し、2年毎に行われる京都府消防操法大会は、各分団の順番制となりました。

 

 綾部市は11分団あるので各分団は22年に1回、綾部市の代表で京都府の大会に出場しています。つまり綾部市消防団は、市大会は廃止したものの、京都府大会への参加は継続しています。

 

 これは都道府県レベルの操法大会に参加せざるを得ないから、少しでも負担を減らす活動にしようとしているのでしょう。このように考えている消防団は綾部市だけではありません。

 

 しっかりと自分たちの消防団の在り方を確立し、議論や改善ができる自治体にとっては、県や国レベルのイベントは不要な行事ではないでしょうか。

 

 

 

 現在、綾部市でも団員の確保が大きな課題となっており、毎年行われる「団長点検」が団員にとって負担感が大きいと言われています。

 この団長点検とは、規律訓練や小隊中隊礼式、ポンプ操法、実火災想定訓練の出来栄えを団長をはじめとした消防団幹部や消防職員の方が点検し、「優秀」や「極めて優秀」などの評価点をつけるそうです。

 

これらの団員の負担軽減についての市議会での質疑応答を一部紹介します。

 

◆平成24年12月定例会会議録第3日

 ー議員ー

 消防団の活性化策なんですけども、基本となる若い消防団員の確保が最優先やというのは私も思うわけですけれども、しかしなぜこの団員が減少していくんかなということでございます。1つ目にしましては、少子化などで若者の居住者が減少したということもあるでしょうし、2つ目としては、就業形態の変化などで時間的な余裕がないと。あるいは3つ目としましては、消防団に対する魅力よりも負担感が強いということがあるんじゃないかなというふうに思ってます。

 特に、負担感の問題でございますけども、団長点検のあり方やとか訓練など、やっぱり義務的な取り組みをちょっと見直さんといかんのかなというふうにも私は思います。団長点検は幹部を経験した人、ここにもたくさんいますけれども、やっぱりそれぞれの思い入れがあるんです。

 年に1回ぐらい、あのきびきびした規律訓練というのはええもんやなというようにつくづく思ってまして、これをなくするのはさみしいなと思う反面、これは我々、幹部になってから思ったことであって、消防団入ったときは、何で消防団がこんな軍隊みたいなことせんなんねやというふうに文句を言うとった人間でございますんで、逆に言ったら消防団に入る方に言わしたらそういう気持ちなんかなと。やっぱりそこはやっぱりもう今の時代ちょっと変えていかないかんのかなというふうなことでございます。

 ほんで、また団長点検は点検でございますんで、分団幹部は前年より、やっぱり前年並みか前年よりよい成績を残さんなんというふうに思うんですよ、多分。極めて優秀もうたときは次も極めて優秀もらわんなんなと思う。そうするとやっぱり訓練時間がふえるんですね。そういうふうな形でまたまた負担がふえていくんかなというふうに思いますし、ポンプ操法におきましても、実際の有事の際と違う姿勢維持などを重視した競技になってきてるんかな、そういうふうなきらいもします。消防団員については、まずは自分の身を守る、自分の安全が確保できた上でいかに迅速にそういう災害に対応できるか。この2点の訓練にね、絞ってやっていっても、もうええ時期が来とんかなというのはちょっとこう思ってまして、点検や訓練のあり方についてちょっと検討してほしいなと思いますのと、あと近隣市がね、どういう形で取り組まれとんかな。綾部市と同じような形で団長点検とかそれも含めてやられとんかな、そのあたりをちょっと聞かせてほしいなということでございます。

 

ー消防長ー

 私も議員同様、消防団入りましたときに、回れ右とかおいっちにして、こんなもんで火が消せるんかというふうに反発をした記憶がございまして、それが10年たち、20年たつと必要なんだなということがわかってくるというようなことであります。

 この消防団の団長点検の実施項目と申しますのは、総務省消防庁が定めております全国統一の基本動作、消防隊員、消防団員の基本動作でありまして、全国どこでも同一命令で同一動作をするというものでありまして、例えば東日本なんか行ったときでも同じような行動ができると。こういうようなことであります。

 ただ、訓練の成果を上げようとすればするほど負担感は増してくるということは否めない事実でございます。

 したがいまして、綾部市消防団では現在、消防団活性化検討委員会を立ち上げまして、消防団の団員の確保の拡大、あるいは団長点検等の活動内容、組織編成などについて議論を進めていただいているところでございます。その中で議員御指摘の先ほどの3つの要因についても取り上げられておりまして、団員確保などは前回の22年度に開催した検討委員会から継続した議論となっているという状況でございます。

 団員の負担感の軽減ということにつきましては、団長点検については過去にも小隊訓練の実施内容の見直しによります時間短縮あるいは団長点検の際の実火災想定訓練の取りやめというような大幅な実施内容の簡略化を行って負担の軽減を図ったということがございますけれども、それでもなお今日的には負担感の増大が団員の実感というふうになってるのかなというふうに思っておりまして、この負担軽減策をどうしてやっていけるのかということを活性化委員会、消防団員、約50名で検討していただいておりますが、一緒になって検討していきたいというふうに考えております。

 

◆令和元年6月定例会会議録第4日

 ー議員ー

消防団の充実についてお伺いします。

 熱い思いをこもった令和元年消防団団長点検の8分団が終了し、残すところ3分団になりましたが、これらの結果を教えていただきたいのと、消防団員の家族からよく聞かれるのですが、団員不足の問題の原因の一つに、団長点検に向けての訓練が過度になっている可能性がないのか教えてください。

 

ー消防長ー

 令和元年度綾部市団長点検の結果につきましては、6月23日までの8分団の点検が終了いたしまして、極めて優秀分団が7分団、優秀分団が1分団となっております。残り2分団は6月30日受検の予定でございます。また、上林分団につきましては本年度団長点検にかわりまして、京都府消防協会長表彰の調査を受検する予定となっておりますので、御承知ください。

 団長点検の目的につきましては、火災などの災害に対し、市民の生命、身体及び財産の保護に努め、被害を軽減するため、綾部市地域防災計画の消防訓練計画に基づき、年1回実施していただいとるところでございます。

 過去にも団員の負担の軽減を目的に、さまざまな角度から見直しを必要との見解が出されまして、検討委員会を立ち上げ、検討がなされたところでございます。平成26年2月の分団長会で変更案を試行する方針が決定されまして、平成26年、平成27年の2カ年にわたりまして試行が行われたところでございます。その結果、地域防災力の中核であり、高い組織力を維持する必要があるという結果がありまして、この結果に基づきまして、現在実施している内容全てが必要であると結論づけられたところでございます。今後の訓練のあり方につきまして、いろいろな方からの御意見等も傾聴する中で、必要に応じてその都度消防団と協議を行い対応する必要があると考えております。

 

ー議員ー

 わかりました。6月23日までに極めて優秀分団が7分団ということで、大変多く出ているのですが、大変よいことやないかというふうに私も思います。ぜひ消防団員の皆さんの過度の負担にならないように、今後ともよろしくお願いしたいと思います。

 

◆令和元年9月定例会会議録第3日

ー議員ー

消防団員の活動内容と団員確保についてお尋ねをいたします。

 消防団と議会の懇談会の中でも団員確保に苦労されていることがわかり議会でも取り上げられてきました。団長点検の様子を初めて見られた女性からは、日ごろこんな訓練をしていただいているのを知らなかったというふうに言われた方もありました。団長点検の訓練は2カ月前から週に3回行われるということで、御家族の協力なしではできないことだと感謝をしております。

 また、高齢の男性からは、団員の皆さんの負担を軽減してはという声もお聞きしております。活動や訓練について消防検討会で議論をされ、これまで改善されてきたことが、また、もとに戻したことがあるというふうにお聞きをしました。消防団活動の改善がされてきたその内容についてお尋ねをいたします。

 

ー消防長ー

 消防団活動の改善につきましては、消防団組織の再編、資機材の配置及び訓練のあり方などの課題について議論をされ、これまでにもさまざまな見直しが行われてきたところでございます。特に団長点検の内容につきましては、平成25年度に取り組まれました綾部市消防団活性化委員会の報告に基づきまして、団員の負担軽減を図ること、訓練内容の見直しが行われたところでございます。

 平成26年、27年に試行が行われました。試行後に団長点検検討委員会が3回開催され、訓練の目的と必要性、そして安全管理について議論がなされたところでございます。この結果、綾部市消防団は、地域防災の中核的役割を担っていることから、高い組織力を維持する必要があること。また、近年の災害発生状況からさらなる災害対応能力の向上を目指すことを目的として、団長点検を現在実施している訓練内容を毎年行うことが必要であると結論づけられ現在に至っております。

 団長点検以外の訓練につきましては、これまで1日かけていたものを半日で終了するよう改めるなど、負担の軽減に努められているところでございます。

 

 

今後も団員や地域の思いを吸い上げながら、改善を続けて欲しいです。

 

 

 

 綾部市消防団の情報はこちら

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