海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

秋田県 大仙市

秋田県大仙市(だいせんし)の消防団員は条例定数1,375名に対し、令和2年4月1日現在1,135名(△240)と減少を続けており、消防団員確保の対応が喫緊の課題であるとして、市議会にて質疑応答がされています。その中では、団員からの分団への上納金女性消防団の存在意義幽霊団員についてなども話し合われています。

 

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◆平成30年第3回大仙市議会定例会会議録第2号(9月6日)

ー議員ー

消防団活動の充実についてお尋ねいたします。
日本列島ばかりでなく、最近の大仙市では水害の多発が続いております。火災ばかりでなく、こうした大雨や洪水、土砂崩れなどの災害に対し、消防団員は市民の安全のため、防火・消化活動、河川の監視活動や安全対策などに大きな役割を担っていると思います。大仙市の消防団体制の充実と市民に期待されるような消防団活動の充実のため、3点について質問させていただきます。

一つ目は、消防団員が減少している問題です。
最近の若者はと言えば失礼でございますが、地域の期待に応えるような消防団になかなか入団してくれません。しかし、消防団員の活躍がますます期待される今日、消防団員の減少に歯止めをかけなければならないと思います。そこで、消防団員募集の大々的なポスターを作成するとか、消防団の活動や社会的な役割などをまとめたパンフレットを作成するとか、または大仙市の行事、例えば成人式などで消防団へのお誘いのチラシを入れて宣伝してもらうとか、消防団への加入を進める様々な事業に市としてもっと力を入れて取り組むことはできないものかお伺い致します。これが第1点です。

二つ目には消防団員の装備品の充実についてです。
市では、地域防災対策や防災訓練、消防ポンプ積載車などの充実に取り組んでまいりましたが、消防団の使用する装備品については、あまり充実されてきておりません。例えば、大雨や水害が予想される場合には、消防団員は雨の中で水位警戒や予防対策に奔走いたしますが、消防団員に雨ガッパは支給されておりません。近年、大雨や水害が頻繁に発生しつつある中で、雨ガッパがどうしても必要になると思います。どうか消防団員としての雨ガッパの支給を検討してもらうことができないかお伺いいたします。これが二つ目でございます。

それから三つ目には、分団への助成について質問いたします。
消防団員には、年間で3万6,500円相当の手当が支給されています。これは一部の分団のお話でございますが、分団費として消防団員の手当から1万5千円が分団へ上納される仕組みになっております。しかし、そうなりますと、消防団員の手当は半減することになります。分団の経費が、なぜ必要なのかもよくわかりませんが、おそらく役員の出張費や分団行事での食料費ではないかと思われます。そこで伺いますが、各分団で違いがあろうかと思いますが、分団の経費の中身について調査していただくことはできないものでしょうか。もしどうしても必要な経費だとしたら、分団に対しても手当相当が必要ではないかと考えるものです。消防団員の手当が分団の経費のために減額されるという形は、決してふさわしくないと考えるものです。できましたら分団経費を少しでも補償するという立場で、手当を増やしていただくことができないものなのかお伺いいたします。

 

ー市長ー

はじめに、消防団員の加入促進についてでありますが、大仙市消防団の平成30年4月1日現在の団員数は1,216人であり、条例定数の1,375人に満たない状況にあります。また、団員の高齢化に伴う退団者の増加と新入団員の減少により、団員数は年々減少傾向にあり、地域防災の重要な担い手となる消防団員の確保については、市といたしましても喫緊の課題であるというふうに捉えております。

そのような中で市といたしましては、年報酬及び費用弁償の引き上げによる消防団員の処遇改善に努めているほか、資機材の計画的な配備など活動環境の向上を図っております。また、火災予防週間時の団員募集チラシの配布、消防団協力事業所制度の推進、消防団員のいる企業等の事業所を消防団幹部が訪問し、消防団活動への一層の理解と協力をお願いする活動など、これまでも団員の確保について市と消防団が協力して取り組んでおります。今後は、さらなる消防団員の確保のため、これまでの取り組みをさらに強化しながら、議員ご提案の成人式や市の行事・イベントの中で積極的に消防団員募集チラシなどを配布するなど、様々な取り組みにより若い団員の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。

次に、消防団員の装備品の充実についてでありますが、近年、集中豪雨や爆弾低気圧などの異常気象とも言える自然災害が多発している中において、消防団員は自らの危険を顧みず、現場の最前線で対応に当たられており、市では消防団のより良い活動環境づくりを推進するために、昨年度は夜間の活動に備えたヘッドライトを各分団に配備しております。また、近年、大雨や台風など、本市におきましても消防団員が水防活動に従事する機会が増していることから、今後も水防資機材や装備の充実に、より一層努めることとしており、ご質問のありました雨具につきましても各分団へ配備する方向で検討してまいります。

次に、分団費の状況につきましては、大仙市消防団では、全ての分団において分団名義の通帳を持ち、分団費として団員から年会費を集め運営をしていると把握しております。分団費は、懇親会や慰労会に係る経費、市からの貸与品以外の揃いの靴や服を購入する経費など、各分団ごとの取り決めの中で運用されております。このように、分団費については年会費の額や使い道など、それぞれの分団で異なっていることから、市では消防団幹部に対しまして、団員からの理解が得られるような運用をお願いしてきた経緯があります。今後も団員が納得し、活動に支障をきたさないような分団費の管理・運用を、引き続き働きかけてまいりたいと考えております。

次に、分団への手当の支給につきましては、ポンプの燃料費や修繕費、積載車の車検代などの消防団活動に要した費用については市が負担しているほか、出動手当等は団員個人の通帳へ振り込んでおります。今後も分団活動で生じる諸経費につきましては、引き続き現状の把握に努めてまいりたいと考えております。

 

ー議員ー

三つ目の質問についてなんですけれども、この分団で消防団から年会費として集めているお金は、それぞれの分団でやっぱり違います。ですから、使い方も若干違うと思います。あまり細かい分団への調査といいますか、そういうのは難しいということも伺いました。けれども、やはりそれぞれの分団で、例えばどれくらい、会費として集めているのか、それくらいのアンケートなら、私、可能だと思うんですよね。是非そのアンケートでも何でもいいんですが、各分団で、年会費としてどれくらい集めているものなのか、その調査をできればお願いしたい

それから、高ければ結局、消防団員の手当が減少することになりますので、やはり分団に対して、例えば1万円までとか、1万5千円までとか、一定の上限を設けてね、指導するようなことを検討してもらえればありがたいと思います。もし考えがありましたらご答弁お願いしたいと思います。

 

ー市長ー

まず今、会費、年会費と言いますか、分団のための会費についてのアンケートをということがありましたけども、今確認したところ、やっていないということでしたので、是非まず調査確認のために実施してみたいと思います。

それから、答弁でもお答え申し上げましたように、分団幹部と言いますか、団の幹部のために団員がいろいろ負担するというようなことのないようにというようなことで、これまでもいろいろお話をさせていただいてきたところでありますけれども、改めてこの今回の点についてもお話をさせていただきたいというふうに思います。

 

 

 

◆令和2年第1回大仙市議会定例会会議録第3号(3月5日)

ー議員ー

全国的に消防団員の減少に歯止めがかかっておりません。これは、少子高齢化によるものや働く環境の変化に伴い、消防団活動との両立が困難な職種の方が多いという現実のほかに、住民の地域に対する帰属意識の低下もあるように思います。「上下関係が面倒くさそう」などという声もよく聞きますが、これについては昔ながらの消防団のイメージを引きずった感覚であり、漠然とした先入観があるのだと思います。私は、消防団は地域の光だと思っております。地域を愛する団員がたくさんいらっしゃいます。是非消防団の本当の姿を知ってもらいたいと思います。

さて、全国的に男性団員が減少し、女性団員の方は増える傾向にありますが、大仙市の女性消防団はピーク時より減ってきております。男女共同参画とはいえ、身体能力的には男性団員と同じようにはいきませんので、女性団員には女性団員ならではの活動があるはずですが、その何たるかを見出せないでいることが減少の一因であるように思います。かく言う私も女性団員の一人でありますが、まだまだ確たる活動の芯がなく、試行錯誤しながら、ある意味もがいているのが現状です。

消防団員を対象とした割引サービス等を提供する「消防団応援の店事業」実施など、消防団への老松市長の思いを感じるところでありますが、この事業が消防団員の新規加入の促進と早期退団の歯止めになるよう願うものであります。

団員確保の方法としては、学生団員や機能別消防団員を募集するという選択肢があります。学生団員は、字のごとく大学生・短大・専門学校等の学生で編成されるものです。大仙市には大学・短大がありませんが、市内から通っている学生はいらっしゃいます。年代が近い学生が複数であれば、勧誘の仕方によっては気軽に入団できると思います。
また、機能別消防団とは能力や事情に応じて特定の活動にのみ参加する団員で、時間帯を限定したり特定の活動をし、消防団の活動を補完するものでありますので、入団のハードルはかなり下がるのではないかと思います。そこで質問をさせていただきます。

一つ目は、現在の団員数はどのような状況でしょうか。また、幽霊団員とも呼ばれる活動していない団員は存在するでしょうか
二つ目は、全国的に増加している女性消防団が、大仙市では減少しているのはなぜでしょうか。市として、女性消防団員に、どのような活動、どのような役割を求めているのかお伺いいたします。
三つ目は、幅広い消防団員確保のため、学生団員や機能別団員を募集できないものか、ご所見をお伺いいたします。

 

ー副市長ー

はじめに、消防団員数につきましては、令和2年2月1日現在の団員数は1,146名で、条例定数1,375名と比較した充足率は85パーセントとなってございます。また、活動していない団員につきましては、平成27年3月に、当時2年間活動されていない団員31名につきまして調査を行い、それぞれ所属する分団長と面接を行っていただきました。活動意思が無い7名の方には退団していただいた経緯がございます。
現在、活動していない団員への年報酬の支払いが全国的に問題となってございます。当市では、昨年度より毎月の防火広報あるいは車両点検を交代で実施していただくこととし、全団員が必ず活動できる体制としております。

次に、女性団員の活動につきましては、平時には、防火・防災の啓蒙や救命講習の補助、小型ポンプ操法、消防行事や式典の運営のサポートなど行っていただいているほか、災害時には避難所運営の補助などをお願いをしているところでございます。市といたしましては、近年激甚化します災害に対応できるよう、より実践的な研修や訓練などに参加していただきたいと考えているほか、子育てや仕事、あるいは家庭の事情などがありますので、女性団員が参加しやすい、配慮した活動の導入も必要であるのではないかと考えてございます。女性団員の皆様や団幹部の皆様の意見も伺いながら、今後新たな取り組みについても研究してまいりたいというふうに考えております。

次に、学生団員や機能別団員につきましては、全国的に年々減少しております消防団員を確保するための施策として導入されております能力や個々の事情に応じ、特定の活動のみに参加し、消防団の活動を補完する役割として期待されているところでございます。学生団員につきましては、導入している消防団は、大学などのそれぞれの学校単位で組織されているところが多くなってございます。大仙市では、大学・短大がございませんので、このことについては少し設置が難しいのかなというふうにも考えているところでございます。しかしながら、18歳以上の方は学生でも入団できますので、若手の団員確保のためにも、通学に利用されております駅へのポスター掲示などによりまして勧誘をしてまいりたいというふうに考えているところであります。

次に、機能別団員につきましては、既に導入しているそれぞれの消防団では、学生団員制度のほか、消防団OBを活用したOB隊、大規模災害時のみ活動する大規模災害団員、音楽隊、ラッパ隊、バイク隊、水上バイク隊など、それぞれの市町村の特性に応じ様々な導入事例がございます。

現在、大仙市では、一般団員の中からラッパ隊を組織しておりますが、消防団の活動と魅力ある消防団体制の構築を図るため、機能別団員として消防団音楽隊の設置について検討をしております。今後、有縁交流都市であります宮崎市などの先進事例を参考に、音楽隊の設置に向け、準備をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 

ー議員ー

ご答弁ありがとうございます。私、市長の所信にあったように、音楽隊、すごく興味深く見させていただきました。まだどのような方向なるか今のご答弁では、これから練り上げていくようなお話ではございますが、是非この音楽隊というのも大仙市消防団の目玉になることを切に願っております。
女性消防団員の活動について、もうちょっと掘り下げて質問させていただきたいんですが、今、市の方でいろいろやっていただきたいというふうなお話、仕事の内容をいただいたんだんですけれども、この明文化してないんですね、そういうものが。できればそういう活動のきちんとした、何て言うんですか、指針となるような、何か女性消防団員に市の方できちんとした指針というものを明示していただくことは可能でしょうか。

ー市長ー
ご質問の女性消防団員のいわゆる活動内容の規範をしっかり定めるということでありますので、当然、今ご提案のあった点は大変大事な点だというふうに思っておりますので、そのことにつきましては当然女性のきめ細やかな思いやり、あるいは女性ならではの分野を担っていただくということがとても大事なことであるというふうに思っております。その点は文言でしっかりしていきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

 

大仙市消防団の情報はこちら

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