海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

武田総務大臣 消防団員確保対策

武田良太総務大臣は令和2年11月13日の記者会見で消防団員確保の為、大幅な処遇改善を全国自治体首長に自ら強く要請し、あらゆる対策を講じていきたいと語りました。また11月17日参議院総務委員会の中でも大臣の消防団に対する考えを答弁しています。

 

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武田総務大臣閣議後記者会見(令和2年11月13日)

消防団員の確保についてです。
消防団は、地域住民の安心・安全確保のために大きな役割を果たしておりますが、本年4月1日現在の団員数は、現在精査中ではあるものの、2年連続で1万人以上の減少が見込まれておりまして、近い将来に80万人を切るおそれがある憂慮すべき問題となっております。
団員確保のためには、団員の報酬や出動手当の額の引上げなどの処遇改善が重要となってきまして、地方公共団体におかれては、その額を大幅に増額していただきたいと考えております。
そのため、今年度の団員数の調査結果のとりまとめにあわせて、全国の首長に宛てて、その旨を強く要請する内容の書簡を私の方からお出ししたいと考えております。
また、消防庁においても、長官から通知を出したり、首長などに特別に働きかけたりすることで、団員の処遇改善をお願いするよう長官に指示いたしました。
加えて、団員の処遇などに関する実態調査を早急に行い、その上で、処遇改善など団員の確保対策を抜本的に検討するための検討会を立ち上げるよう指示しました。
いずれにしましても、団員確保のため、あらゆる対策を講じていきたいと考えております。
詳細については、消防庁地域防災室にお問い合わせをいただければと思います。

 

 

第203回国会 参議院 総務委員会 第2号 令和2年11月17日

004 進藤金日子

○進藤金日子君 自由民主党・国民の声の進藤金日子です。
 本日は質問の機会を与えていただきまして、委員長、理事、委員の皆様方に御礼申し上げたいというふうに思います。
 冒頭、武田良太総務大臣の御就任を心からお祝い申し上げます。
 大臣は、第四次安倍第二次改造内閣におきまして、内閣府特命担当大臣としての防災担当大臣、国土強靱化担当大臣、国家公安委員会の委員長、行政改革担当大臣、国家公務員制度担当大臣を務められました。
 特に記憶に新しいのは、令和二年七月豪雨におきまして、被災直後に熊本県の被災現場を視察され、避難所で被災者の方々を励まし、熊本県知事や被災自治体の首長の方々と意見交換されている姿が昨日のようによみがえります。その後、福岡県、鹿児島県と、矢継ぎ早に視察されたわけであります。
 私自身、熊本県庁に勤務した経験がございます。私なりに関係者の声を聞きますと、これからどうなるのかと、住民の方々はもとより首長の方々でさえもこの不安が募る中で、力強く大臣自らの方針を示され、本当に頼もしかった、武田大臣には被災者の苦しみや悲しみを心の底から共有していただいているといった声を多くお聞きいたしました。武田大臣の現場に寄り添う政治姿勢が自然な形で現れたものと私自身受け止めております。
 しかしながら、被災地はまだまだ大変な状況に置かれております。改めて、度重なる災害でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、今なお不自由な生活を強いられている被災者の方々に心からお見舞いを申し上げ、私の質問に入りたいと思います。
 まず初めに、防災・減災、国土強靱化の推進に関して、防災担当大臣の経験も踏まえ、総務大臣として今後どのような施策に更に重点化していく方針か、武田大臣、お聞かせ願いたいと思います。


005 武田良太

○国務大臣(武田良太君) 昨年の九月十一日、山本大臣から、前大臣から引継ぎを受けまして、防災担当を引き受けさせていただきました。
 台風十五号、十九号というのが相次いで来て大変な災害の年になったわけでありますけれども、私が着任する段階で、山本前大臣がありとあらゆるスキームをしっかりとつくっていただいたおかげで、初動、そしてまた各省庁の横串連携というものが取れて今まで以上の俊敏なる対応ができたのではないかと、このように考えているところであります。
 今、総務大臣になりまして、消防を所管するわけですけれども、今先生方にも御理解いただきたいのは、まず災害があったときに最前線に行くのは各地方自治体で組織される消防団なんですね。この消防団が最新の、また詳しい詳細な状況というものを自衛隊、警察、いろんな方に伝えて、いろんな作業が始まるわけですけれども、過去においては二百万人いたのが八十万人に今減っていると。コミュニティーつくる上でもかけがえのない、災害時に、また火災時に重要な組織であるにもかかわらず、ここまで減っているというこの危機をまずは共有をしていただきたいと思いますし、なぜこれが減っていったのか、なぜ増えないのかという問題についても今から我々は問題提議をし、その処遇改善も含めて組織改善に努めていくことがまずは防災対策になるんではないかなと思っております。
 先生御指摘のように、今なお不自由をされている、心からお見舞いを申し上げたいと思いますけれども、方々おられます。やはり財政的な、自治体に対しても被災者に対しても、財政的な支援というのはこれ逃れられません。これはしっかりとした手だてをやっていかなくてはなりませんし、国土強靱化緊急三か年対策(※1)、これはいろいろな政党、また各会派の間で延長するべきだという声をいただいておるみたいですけれども、これは政府全体として今後の対応、支援策に対しては取り組んでいかなくてはならないと思いますし、我々としては緊防債、これに対してはやはり全ての自治体の皆さんから延長すべきだという声をいただいておりますので、しっかりとその向きで対応をしていきたいと思っております。
 災害に対しては、国民全員が、全ての自治体が、全ての省庁が一体となって取り組む、その環境を平時からつくることが重要だと、このように考えておるところであります。

 

 

056 岸真紀子

○岸真紀子君 ありがとうございます。
 それでは、次のテーマは消防行政についてお伺いをさせていただきます。
 まず、緊急消防援助隊(※2)についてお伺いをいたします。
 多くの実績を積んできておりまして、すごく意味があるんですが、残念ながら、派遣される消防隊員のお話を聞くと問題が残っています。何かといいますと、緊急消防援助隊員として派遣をされたときに、派遣元の消防本部によっては出動手当とか旅費、日当などに格差が出ています。格差というのは、やっぱり自分の自治体の財政基盤によって出されていないところも残念ながらあるというのが実態です。
 これについて、消防庁として、派遣に当たっての諸手当の状況は把握できているでしょうか。

 

057 山口英樹

○政府参考人(山口英樹君) 緊急消防援助隊に係る出動手当あるいは旅費等の状況把握ということでございますけれども、委員からもお話がございましたとおり、緊急消防援助隊、本年の七月豪雨等でも活動いただいております。大変献身的に御努力いただいているところでございます。
 ただ、基本的な仕組みといたしまして、市町村の消防でございますので、相互応援がまずあって、ただ、大規模災害になりますと緊急消防援助隊ごとに出動すると。更に言うと、本年の七月豪雨のような場合には消防庁長官の指示に基づいて出動いただくということになっていまして、その場合には、例えば時間外勤務手当であったり特殊勤務手当であったりと、こういったものについては国費で負担をすると、こういった仕組みになっているところでございます。
 そういった中で、委員からお話のございました例えば特殊勤務手当につきましては、出動元の消防本部が属する市町村の条例によって定めてありまして、それに応じて国の方は負担するという仕組みでございますので、それぞれの市町村の条例で特殊勤務手当定めていらっしゃるところ、それから、ないところ、あるいは旅費の額等についても違いはあろうかというふうに存じております。
 以上でございます。

 

058 岸真紀子

○岸真紀子君 ありがとうございます。
 今の状況はお伺いしたんですが、やっぱり、大臣にもこの後お聞きしたいんですが、すごくこの自治体の財政力の差によって、負担が同じにもかかわらず、手当とかの勤務条件が違うというのは非常に問題と感じます。懸命にこの人命救助とか財産を守るために活動しているにもかかわらず、この違いが出ているということは、本当に消防隊員の、消防職員のモチベーションにも関わっている問題でありまして、大きな課題です。
 大臣、改善に向けて是非取り組んでいただきたいんですが、お願いいたします。

 

059 武田良太

○国務大臣(武田良太君) この緊急消防援助隊の活動というのは、基本的に相互応援というものを基本としておりまして、応援を求めた方がこの経費というか、ものを払うということ。その額等々については条例に沿うとなっておりまして、各地方自治体の裁量に委ねられているわけでありますけれども、これは先ほどの答弁でも申し上げたとおり、平素はみんな気付かないだけなんです。ただ、有事のときは、いかに消防団、消防が必要かということを痛感すると思うんです。
 ですから、知事会、そして市町村長会の皆様方にも常に私言っていますけれども、有事のときに即応態勢が取れる、モチベーション高く、士気高く取れるような待遇というものをしっかりと消防の方には確保していただきたい、そして全国的にわたって命を守る最前線の強い組織として活動できる環境をつくっていただきたい、このことを常日頃から要請しているところであります。

 

060 岸真紀子

○岸真紀子君 いろいろと消防庁の方でもいろんな対策は取っていただいているのは分かっているんですが、それでもなお残念ながらこの差ができてしまっているということは、引き続き、しかも、消防職員って労働組合つくれないので、実際に自分たちの処遇改善できる手段がないんですよ。なので、これはやっぱり国として、災害を支える、相互協力といいながらも、やっぱり国としてその地域の方を支えるということで、是非今後も大臣には取組をしていただきたいと思います。
 それと、大臣の所信にも触れられていましたが、この緊急消防援助隊の訓練ですが、地域ごとの訓練は行われていると思いますが、実践的な訓練といいながらも、緻密な想定をあらかじめ描いて、それを参加する人みんなに周知しているので、実は実践的になっていないという課題があります。本当はもっともっと実践的に近づけた方がいいと思いますが、せっかくなら、どういった工夫でできていくのかというのもお伺いしたいと思います。

 

061 山口英樹

○政府参考人(山口英樹君) お答えさせていただきます。
 御存じのとおり、緊急消防援助隊、平成七年の阪神・淡路大震災を契機に発足をいたしております。毎年度全国を六つのブロックに分けた、ブロックごとに図上訓練ですとか、それから地震等による倒壊家屋からの救助訓練、あるいは大規模な街区火災、石油コンビナート火災に対する消火訓練などのいわゆる実動訓練、そういったものを取り入れながら、また、自衛隊とか警察などの関係機関とも連携した効果的な訓練を行うように努めているところでございます。また、おおむね五年ごとに全国訓練も実施をしております。
 委員御指摘のとおり、実践的な訓練、ブラインド型の要素を取り入れた訓練というのは極めて重要であると私どもも考えております。そういった中で、これまでの訓練におきましても、実災害で明らかとなった課題を反映させ、検証を行いながら、シナリオ非提示型の訓練を取り入れるなど、運用の改善に生かしてきているところでございます。
 具体的には、例えば図上訓練においては、基本的にはシナリオのないような要素を必ず入れて実施をするですとか、それから実動訓練につきましても、あらかじめ定めていない形で、例えば令和元年度の中部ブロックの訓練におきましては、各県隊の活動場所をあらかじめ指定せずに、進出途上において活動場所を指示して進出させる訓練と、そういった形でより実動的な訓練になるように努めているところでございます。
 以上でございます。

 

062 岸真紀子

○岸真紀子君 引き続きなるべく実践的に近づけていただくようにお願いいたします。
 それと、先ほどの武田大臣の答弁にもありましたが、災害時における消防団の活躍ってすごい大きいです。このコロナの状況の中の複合災害、特にこの消防職員と消防団員の感染防止策と知識などの習得はできているかをお伺いします。

 

063 山口英樹

○政府参考人(山口英樹君) 御指摘のとおり、消防職団員の感染防止対策は極めて重要であろうというふうに考えております。
 そういった中で、委員から特に消防団員ということで御指摘等もいただいておりますけれども、消防団員につきましても、感染防止に御留意して活動いただけるように、例えば予防方法とか感染防止策などの感染症に関する基礎的な知識でありますとか、あるいは各市町村での消防団員の感染防止対策に向けた事例、あるいは避難所における新型コロナ感染症への対応、こういったことを消防庁のホームページの中に掲示するとともに、その内容について各都道府県の消防防災主管課を通じまして市町村の方にも周知等をさせていただいているところでございます。
 また、私ども消防大学校の方で消防団の幹部研修等もございますが、そういった中でも、こういったことも周知しながら取り組んできているところでございまして、今後とも努めてまいりたいと考えております。

 

 

※1 「国土強靱化緊急三か年対策」についてはこちら 

防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策

 

※2 「緊急消防援助隊」についてはこちら

緊急消防援助隊ALL | 全国各地から駆け付ける「緊急消防援助隊」 | 総務省消防庁

 

 

 

11月13日の武田総務大臣の発言を受け検討会が始まります。

 報酬・出動手当をはじめとした団員の適切な処遇のあり方等について検討を行い、ひいては消防団員を確保することを目的として、「消防団員の処遇等に関する検討会」を開催します。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000723258.pdf

 

消防団員がなぜ減っていったのか、なぜ増えないのかという問題の真因をしっかりと認識したうえで検討頂くことを切に願います。

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