海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

群馬県 利根郡 みなかみ町

群馬県利根郡みなかみ町が令和2年1月15日に発行した「議会だより」では、平成27年から消防団の今後の在り方について討議していた結果(一部)についてと、町民からの「みなかみ町消防団への感謝の言葉」が掲載されています。

 

f:id:KaibaraTomoaki:20210102121803p:plain

令和2年1月15日発行 みなかみ議会だより 61号

f:id:KaibaraTomoaki:20210102122018j:plain

みなかみ町は平成27年、みなかみ町消防委員会にみなかみ町消防団の今後のあり方について諮問を受け、平成30年に答申書が提出されました。

平成30年第6回定例会では、この答申を受けた町長の見解等を質疑しています。

そして平成31年第3回定例会にて、みなかみ町消防団条例の一部を改正する条例が可決されました。

 

今回の施策が、みなかみ町消防団にとって必要十分な対応とは思いませんが、一番大切なのは、地域が現在そして今後の地域防災と消防団の為に議論し改善しようとする意志です。

 

あと、この議会だよりの「町民から一言」は消防団員にとって嬉しいですね。

 

 

 

平成30年第6回(12月)みなかみ町議会定例会会議録第2号

ー議員ー

初めに、平成27年6月18日に、みなかみ町消防委員会にみなかみ町消防団の今後のあり方について諮問を受け、本年3月12日に答申書が提出されました。答申内容は、条例定数及び分団等組織のあり方について、消防団詰所、車庫及び消防車両、小型動力ポンプ等の適正配置について。消防団員報酬及び手当についての3点であります。

まず1点目の、条例定数及び分団等組織のあり方についてですが、現在消防団組織は、1本部、3方面団、10分団、27部、定数は659名になっているのに対し、平成30年4月1日現在の実団員数は584名と、75名の定員割れが生じております。昨今の就業構造や家族構成の変化、さらには、少子高齢化が今後さらに進行し、団員確保が一層困難となることが予想されます。消防団のアンケート調査意見についても、団員確保については、現状維持が精いっぱいで、新入団員確保は難しいとの声が多く聞かれます。

答申では、地域の実情に応じ、地理的特性、歴史的な背景等を踏まえ、機能別消防団の導入や詰所、車両、機材について合理的かつ効率的な配備を進めながら、町の現状に合った体制を整えることが先決と答えていますが、町長の見解を伺います。

 

ー町長ー

みなかみ消防団に限らず、いずれの消防団も団員の高齢化、団員の不足など、消防団の運営に影響を及ぼしているのが現状であります。このような現状を鑑み、平成27年6月、町消防委員会に対して今後の団、組織のあり方について諮問を行いました。平成30年3月に答申をいただいたところであります。

議員ご指摘のとおり、条例による団員定数は659名であります。ちょっと、阿部議員の実団員数、ちょっとこれ直近の数字なんですけれども585になっております。現在、74名不足しております。この傾向は今後も続くものと思われます。

答申では、団員数を議論するのではなく、地域の実情及び地理的特性等を踏まえ、円滑な活動を行えるための方策として、機能別消防団員制度の導入やシニア世代、女性の参加を促す取り組み等が示されております。また、詰所や機械、器具等の装備品、団員の処遇改善等幅広い内容についてご検討いただきました。

平成29年度からは、第2方面団、これは旧みなかみ方面団になるわけですけれども、5分団、6分団における3部編成を2部編成に改編し、出動区分の見直しも実施したところです。他の方面団においては、現在議論を重ねているところでございます。

また、機能別消防団制度については、消防団、消防委員会と協議を重ねており、本年度中の条例改正を目指しております。女性消防団員についても、周知は行っているところですが、受け入れる環境整備等の課題もありまして、まだ道半ばの状況でございます。女性消防団員につきましては、隣の沼田市消防団で活動が行われておりますので、これらを参考に団と協議を重ねてまいりたいと考えております。

 

ー議員ー

先ほど、消防団員が1人、584名のところ585名ということは74名の定員割れが生じているということですよね。ということは、旧分団でいいます約2分団ぐらいの団員が減少しているわけです。

そのようなことで、地域性もあり、分団数を減らすわけにもいきませんが、29年度の成果報告書の中に、今後の方針として、課題解決策に消防委員会の回答を踏まえ、機能別消防団を導入し、団員確保、組織強化を図るとうたっていますよね。本年度中に機能別消防団を導入するという返事でしたが、機能別消防団のことをちょっと調べてきたんで読み上げますけれども、機能別消防団員制度とは、政府における所管官庁である総務省消防庁が平成17年1月26日に消防団の活動環境整備について、地域住民が参加しやすい環境をつくる目的で能力や事情に応じた活動や、特定の災害にのみ活動し、消防団の活動を補完する役割を期待され、既存の消防団制度をより臨機応変な対応力を付与する制度とすることを目的に制定されました。

当町においては、平成22年10月1日に発足した消防協力員制度があります。現在、166名が登録していると思いますが、これは団員が手薄な平日昼間の災害対応や、居住地分団内の災害にのみ出動する形態であります。そのようなことから、十分に機能していないのが実態であります。そのようなことから、現在ある消防協力員制度を廃止し、火災・災害にのみに限定して出動する機能別消防団を導入すべきだと思いますが、今後の取り組みについての考えを含めて、もう一度見解を伺います。

 

ー町長ー

機能別消防団については、いろんな考え方があって、都会ですと大学単位で消防団を組織するとか、大きな企業があるところは企業単位で消防団を組織するとか、いろんな形態があるんだと思うんですけれども、みなかみ町にも昔は役場単位で消防車を用意して、消防団とは言っていなかったかもしれないですけれども、非常時には出動したようなこともあったと思うんですね。

現在のみなかみ町の消防団は、役場の職員はもちろんですけれども、農協であるとか大きな企業に勤めていらっしゃる方もほとんどの方が消防団に入って、協力をしてもらっているということもありますので、通常の消防団員、若者という活動されている若い人が機能別消防団として組織するというのは、ちょっと今の状況では難しいのかなというふうに思っています。先ほど、お話ししましたシニアとか女性とか、そういったことであればまた、それは一つ考え方もできるのかなというふうに思います。

それから、もう1つ、協力員制度をつくって活動してもらっているわけですけれども、なかなかうまく機能していないんじゃないかというご指摘だと思うんですけれども、その辺がやはり現役の消防団員とやっぱりОBの方のコミュニケーションというのは、なかなか難しいんだと思うんですよね。消防団そのものは、消防団員が運営していて、そこにОBの方が協力するという形になっていますので、やはりОBの方のほうが年配の方が多いですから、現役の消防団員は、そのОBの方のもとで活動してきた経緯もあると思いますので、なかなかそういう組織命令的なものがなかなかうまく機能していないのかなというような気は私もしています。

ただ、それらも含めて、やはり消防団、現在ある消防団の皆さんのいかに活動しやすい状況をつくっていくかというのが必要だと思いますので、いろんな考えをお聞きして、消防団と協議をしながら、進めていきたいというふうに思っています。

 

中略

 

ー議員ー

続きまして、3点目の消防団員報酬及び手当についてお聞きします。
報酬については、県内平均で比較すると、分団長、副分団長、部長、班長、団員が平均より低い額になっております。消防団充実強化に関する法律でも、消防団員の出動訓練、その他の活動の実績に応じた適切な報酬及び費用弁償の支給がなされるよう、必要な措置を講ずるよう定めております。少なくとも、部長、団員については、利根郡の平均かそれを上回るような改善を望んでいます。

また、手当については、平成27年度までは、防災手当として1万円の支給のみであったが、消防団の一層の充実強化を図ることを目的に1人1回の出動に対し1,500円、訓練手当1,000円が支給されており、団員の士気も上がったと考えているが、県内の平均額よりこれも低く、また答申の中では、消防団の処遇及び装備等の見直しに努力をお願いしたいと答えております。町長の見解をお伺いします。

 

ー町長ー

団員の報酬と手当を平均ぐらいまで引き上げろというお話ですが、まず、ことしの6月に行われました利根沼田ポンプ操法競技会、8月に行われました県大会において、みなかみ町消防団第2分団がいずれも準優勝という成績を修められました。新町みなかみ町では、初の快挙でありまして、町といたしましてもこの上ない栄誉だと思っております。

仕事を持ちながら消防団活動に尽力されている団員の努力に報いることは、当然必要であるというふうに考えております。報酬、手当等については、近隣の状況等を踏まえて、議会、消防団とよく相談して、改善の方向で進めていきたいというふうに思っております。

 

ー議員ー

本年度は、消防団優遇措置として、団員の確保と団員家族に消防団活動の理解を得るために団員1人につき5,000円の商品券を配布したそうですが、川場村消防団の例を挙げますと、消防団家族慰安事業として宿泊費、またはレジャー施設の入場料として、団員1人当たり1万円を限度として支給されているそうです。消防団は、みずからの地域はみずからで守るという強い郷土愛護の精神に基づき、日夜献身的な努力をされています。

消防団員の減少傾向が続くなど、多くの課題もありますが、団員の士気をより一層上げるにも処遇改善を求めます。その辺のところは理解していただき、もう一度見解を伺います。

 

ー町長ー

処遇改善ということでございます。先ほど、おっしゃるとおり、管内で比較してもみなかみ町の部長、団員については管内でも低いというのは事実でございます。この辺については、改めて出動手当、こちらについても委員会の中でもやはり議論、消防委員会の中でも議論されているということでございますので、先ほど、町長が改善に向けてというご発言もございましたので、こちらとしてもその方向で考えていきたいというふうに考えています。

また、昨年商品券をお配りをさせていただいたところでございますけれども、商品券については、金券でございますので、配り方がとりあえず必ず本人にお渡ししないとというようなことで、昨年は各団員のご家族に役場に持ちに来ていただいたというような状況はございます。ただ、これについても、もう少し何とかやり方があるんじゃないかというようなお話、ご意見も伺っておりますので、もう少しちょっとやり方を考えたいというふうに思っております。

 

 

平成31年第3回(3月)みなかみ町議会定例会会議録第1号

ー議長ー

日程第15、議案第14号、みなかみ町消防団条例の一部を改正する条例についてを議題といたします。町長より提案理由の説明を求めます。

 

ー町長ー

現在部長団員階級の報酬について、部長級は1万3,000円、団員は1,000円それぞれ引き上げ、部長級を6万3,000円、団員を2万4,000円とする改正と機能別消防団員制度を導入するため、消防団員の種類として機能別団員を明記し、報酬等について整備するものであります。これは平成30年3月に消防委員会からみなかみ町消防団の今後のあり方等に関する答申に基づき、利根沼田平均報酬との比較から平均額に近づける改正であり、機能別消防団員制度についても団員の高齢化、あるいは人口減少の進行により団員確保が難しくなっている状況を踏まえ、特定の活動、役割に参加する機能別消防団員を条例で規定し、団員の確保並びに消防団員の負担軽減を図ることを目的として、条例を改正するものです。

よろしくご審議の上、ご議決賜りますようお願いを申し上げます。

 

ー議員ー
 任命についてちょっとお聞きしますけれども、現行では年齢が18歳以上50歳未満の者となっておりますが、改正案として50歳未満の者が消された理由をお聞かせ願いたいと思います。


ー総務課長ー
現状50歳を超えても実際には団員としてご活躍いただいているというような事例が数多くみられますので、上限は今回撤廃させてもらったということでございます。


ー議員ー

現役の団員が機能別にいく場合は、そのまま消防団員として継続されるわけでしょうか。

 

ー総務課長ー

あくまでも基本的には団員としてご活躍いただきたいんですけれども、機
能別消防団に移行した場合には、その方は機能別消防団員という形になると思います。

 

ー議員ー

すみません、たびたび。ということは、退団はしないでそのまま消防団員ということで継続になるわけですか。退団して機能別は別になるのか、消防団としてそのままか。


ー総務課長ー

団員の身分のまま機能別消防団員ということにはならないと思いますので、一度そこで退団をして機能別消防団員という形になるものというふうに理解しております。


ー議長ー

これにて議案第14号の質疑を終結いたします。
本案は原案のとおり決することにご異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、議案第14号、みなかみ町消防団条例の一部を改正する条例については、原案のとおり可決されました。

 

 

みなかみ町消防団の情報はこちら

f:id:KaibaraTomoaki:20200517001906p:plain

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以下のキャンペーンに賛同をお願いします!
「全国消防操法大会の廃止」
http://chng.it/Kx45cBjj
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー