京都府京丹後市の「わたしの提案・意見箱」では消防団に対する市民からの声が上がっています。
声を上げることから改革は始まります。
私の提案・意見箱 令和元年度
<消防団の操法訓練と団員の定年制について>
操法大会の訓練は、大会のための訓練に感じ、なんのためにしているのかわかりません。実際の火災や風水害、震災を想定した訓練や勉強会等に時間を割くべきではないでしょうか?
また、消防団に定年制を設けるべきではないでしょうか?(30代 男性)
<回答>
「消防ポンプ操法は、規律や器具の取り扱い方法の習得と団員間の結束力を高めるために必要であると考えています」
日頃から、消防・防災行政につきまして、ご理解ご協力いただきありがとうございます。また、消防団員として地域防災力の充実強化のため活動していただいていることに心より感謝申し上げます。
操法訓練についてですが、規律、礼式、器具の取り扱い等の消防団員としての基本の習得と訓練を通して団員間の結束力を高めることを目的としており、火災現場において冷静な消火活動ができる能力を培えるものと考えております。
もちろん、消火活動に限らず風水害や震災への対応をはじめ、火災予防啓発などの予防活動など消防団の活動範囲は多岐にわたっていることから、操法訓練以外の実火災想定訓練、水防訓練などについても、火災予防運動週間などの機会に適宜取り組んでいるところです。
また、定年制についてですが、消防団を取り巻く環境は、近年の就業構造の変化や地域コミュニティの変容などに伴い、消防団員数の減少や高齢化、在籍期間の長期化など様々な問題に直面しておりますが、消防力の維持など、各地域それぞれに抱える課題があり、一律に定年制を導入することは困難であると考えています。
本市といたしましては、今回のご意見を参考に消防団員の負担軽減及び魅力ある消防団づくりのため、訓練のあり方も含め、多方面から研究して参りたいと考えます。今後とも消防団の活動、運営に対するご理解ご協力をお願い申し上げます。
この方は大会の為の練習に多くの時間を費やすことに異議を唱えていますが、その回答になっていません。大会は必要ないという意見に対し、訓練は必要と答えるのは昔からではありますが、本当に消防団が地域の為に必要であると認識しているのであれば、もっとこのことについて真剣に考えるべきです。
この大会とその為の練習は消防団が地域の安全安心を守るための最善の方法なのでしょうか。
私の提案・意見箱 平成29年度
<消防団の市長査閲は必要でしょうか>
7月に京丹後市消防団の市長査閲が予定されているようですが、その中で部隊訓練等、消防活動に全く関係のない余興のために、納税者でもある消防団員約400人が1カ月以上も夜間に訓練を行わなければなりません。昔と異なり現代は、父親も夜は子育て以外にPTAの会合に出席したり、人口減により村の役も掛け持ちしたりしている時代の中、今回の消火訓練に関係ない活動は大きな負担となります。また税収が厳しいにも関わらず、この様な行事のために多額の費用が発生するものと思います。
したがって、市長査閲自体を中止するか、昨年の操法大会で全国大会に出場された消防団の展示操法だけにしてはどうでしょうか。
(弥栄町/40代/男性)
<回答>
消防団の活動は、消火活動以外にも、大雨時の水防活動、地震や津波、大火災時の避難誘導、行方不明者の捜索活動など、様々な活動が想定されます。危険と隣り合わせの災害現場では、二次災害を防ぐためにも指揮者の指示に基づいた部隊活動を行う必要があります。
部隊訓練の目的は、その部隊行動を迅速確実にし、厳正な規律を身に付けさせ、消防諸般の要求に適応させるための基礎を作ることにあり、これが災害現場等では、自分の立ち位置を把握し、団員それぞれが周りの団員の行動等を意識し、お互い注意し合うことにつながります。
隔年で実施している操法訓練のない年には、水防訓練、部隊訓練など何らかの訓練が行われており、消防団幹部において今年度の事業計画を検討する中で、市長査閲を実施することになったものですので、ご理解をお願いします。
<消防団員確保に向け、温泉入浴半額券をプレゼントしてはいかがでしょうか>
消防団は、責任重大な任務を背負って、昼夜を問わず活動されています。それは誰もが認めるところであり、市民にとって一番身近で一番頼りになる存在ではないでしょうか。
しかし、その割に待遇が良くありません。今、団員の確保が大変だと聞いています。その要因の一つとして、本人ではなく奥様、家族の反対もあると思います。夜遅くまでの連日の訓練、火災に加え、台風や地震などの災害のときには我が家を家族に任せ、市民の生命財産を守るために、出動していかなくてはなりません。どれほど家族は我が家を守る不安と、夫、息子の身を心配しながら待たなくてはならないのでしょうか。それでも京丹後市から消防団をなくすわけにはいきませんし、自分自身の身体と生命を守るためには、しっかりとした訓練をすることも必要です。
そういった任務を背負った団員のために提案です。団員とその家族すべての皆さんに、温泉入浴半額券(消防団在籍期間中)をぜひプレゼントしてあげてください。温泉施設は、このことが収益に大きくマイナスになることはないと思います。むしろ利益が増す可能性もあります。ご検討の程お願いします。
<回答>
貴重なご提案をいただき、ありがとうございます。
ご指摘のとおり、本市では人口減少、高齢化が進む中、地域の安全・安心を守る消防団員の確保が課題となっております。
本市といたしましては、温泉入浴券に限らず地域全体が、家族を含め消防団を応援していることを実感していただけるよう、また生き生きと安全に活動できる環境整備に向け、他の自治体の例などを調査、研究のうえ、団員確保に向けた取り組みをしっかりと検討していきたいと考えています。
京丹後市の市議会では、消防団員の減少についてや、機能別消防団員「支援隊」の状況、昼間の消防力の確保等について質疑応答されています。
議員からは「団員の高齢化が進んでおり、操法訓練等にも過度な負担を強いられている」と訴えています。市民から声が上がっている基本団員の活動内容や負担軽減についても、今後議論して頂きたいと思います。
令和元年第 5回定例会(12月定例会)(第4日12月12日)
ー議員ー
将来にわたり地域防災の中核をなすのが消防団の役割ではあると思います。総務省の消防庁が平成30年度の段階での消防団員の推移について調査報告を上げています。スライドを見ていただきたいと思いますが、これも見にくいかもしれませんが、全国の消防団員数は年々減少傾向にあります。これがグラフで見てもわかるかと思います。本市の消防団員の条例定数は1,730名となっていますが、実人数に対して、これまで過去5年間の消防団員数の推移はどのようになっているのか。また、定数と実人数との差についての考えをお伺いいたします。また、今後の定数の見直しについて検討をされているのかどうかもお伺いをいたします。
ー消防長ー本市の消防団員数の推移ということで、平成28年に消防団の再編を実施していますが、平成27年には定数は1,805名といたしまして、実員は1,640名でございます。平成28年に定数を1,730名としています。平成28年には1,643人、平成29年1,637人、平成30年が1,630人、平成31年が1,629人と、平成28年に微増いたしました以降は少しずつ減少が続いているといった状況でございます。
なお、この1,730人に対して、実員が31年度で1,629人ということで、この関係でございますが、まず、定数1,730といたしましたのは、その当時、実員が1,640人でございましたので、支援消防団員の創設というのもございまして、その分と、あるいは女性消防団員の拡充、あるいはまた各分団においても少し少ないようなところについては増員といったことも見込みまして、1,730人と定員をしたところでありますが、実際はなかなか思うように団員の確保ができていないといったことでございます。なお、この1,730という定員を今後どうするのかということにつきましては、定員としましては、当面はこの1,730ということで考えていますが、この先、消防団員の確保はもう本当に難しくなってきた場合には、また関係機関とも検討はしていきたいと思います。
ー議員ー
消防団組織の担いや期待度も高まってきていますが、消防団員の数も減少傾向にあります。市内は広域であり、町や集落の分布も多極的であり、集中していないため、消防団は地域にいることに大きな役割があると考えます。平成28年度の組織変革の際、部の統合が図られたことによって活動範囲が広くなった部においては、団員がいない場合や、また部から遠距離となる地域に消防団のOBが支援隊の形成をいたしました。その支援隊の設置目的と、支援団員数の現状についてお聞かせください。また、活動の内容について、訓練等は方面隊との防火想定訓練での連携などはされているのでしょうか、お伺いいたします。
ー消防長ー
支援団員のことでございますが、これは平成28年に実施いたしました消防団組織の見直しに伴い、新たに導入した制度でございます。消防団員の確保が困難となりつつある地域において、消防団員を確保し、消防力の充実を図ることを目的に消防団員の確保が困難な地域、消防団OBが在住している地域、隣接する部等から相当な距離にある地域、こうした点を考慮したもので、現在大宮町五十河地区、網野町磯地区、弥栄町野間地区及び丹後町竹野地区の4地区で運用しています。
団員数につきましては、ことし4月1日時点の数字となりますが、大宮町五十河地区で14人、網野町磯地区で10人、丹後町竹野地区で14人、弥栄町野間地区で18人、以上4地区で合計56人となっています。活動内容につきましては、京丹後市消防団条例規則において所属する分団の管轄区域内の水火災、その他の災害への出動、配備された車両、機械器具等の点検及び管理、その他団長が必要と認める活動とされており、それぞれの地区内で発生した火災などの災害や捜索活動にも対応していただいています。
支援隊の訓練等の状況ということで申しますと、全ての支援隊ではございませんが、場所によっては春、秋の火災予防運動における火災想定訓練の際に訓練参加もしていただいているところもございます。
ー議員ー団員の確保と高齢化による部の活動が厳しい現状があります。特にまた丹後町ですが、宇川地域においては、第3分団第1部はポンプ車を保有し、10名であり、平均年齢は43.8歳、また分団内勤務者はゼロ名、同じく第3分団第2部は14名の平均年齢は37.5歳、分団内勤務者はゼロ名、また第4分団第1部はポンプ車を保有し、15名。平均年齢は38.2歳。分団内勤務者は1名。2部や3部においても団員数は10名程度でありますが、分団内勤務者はともに2名となっており、このような現状において日中の水火災や災害対応が困難であると思います。このように勤務先の関係から、昼間に消防団員がいないといった地域も出てきているのが現状です。
昼間の消防力を確保するために、消防組織の編成が必要と考えます。例えば、昼間地元にいる消防団OBの方に協力をしていただき、新たな支援隊を組織し、活動範囲を日中に消防団員がいない地域に限って分団をまたいで活動ができるなど検討する必要があると考えます。今後はそういった地域がふえてくると考えられるため、市としてはどのように考えているのでしょうか、お伺いをいたします。
ー消防長ー
昼間の消防力の確保ということについてでございますが、まずは、市内の各地区で組織化が進んでいます自主防災組織による初期消火活動など、それぞれの地域における消防団以外の組織による初動活動など、相互協力による総合的な地域防災力の充実強化が必要であると考えています。その上で、議員がおっしゃいました昼間地元においでになる消防団OBを活用した消防力の確保などにつきましても、消防団の実情や地域の事情等を十分に踏まえながら、増員に向けては消防団と地区で具体的にさまざまな検討を行う必要があると考えています。
なお、議員がおっしゃいました分団を越えての支援隊の活動ということになりますと、京丹後市消防団条例施行規則にその支援隊の活動のところで、先ほども申しましたが、分団の管轄区域内での出動というふうに決められていますので、分団を越えての活動となりますと、規則の改正等も必要となってくるものでございます。
ー議員ー今、消防長からもありましたように、消防団の条例施行規則では確かに分団内の活動範囲というのが決まっています。しかしながら、こういったことも現状としてはある中で、改定といったようなことも検討が必要ではないかというふうに思います。また、支援隊のあり方をはじめ、平均年齢から見ても団員の高齢化が進んでおり、操法訓練等にも過度な負担を強いられています。今後は消防団の編成も視野に入れて検討していく必要があるのではないかと考えます。
平成30年第 2回定例会(3月定例会)(第3日 3月 9日)
ー議員ー
今、答弁でもありましたようにほかの市町から比べると手厚い報奨体制をとっていただいているということでありますが、団員の確保の難しさや遠隔地での消防力の低下、また日中の火災に対応するために組織されてきました機能別消防団員について、現在は地区別の支援消防隊となり、3つの支援消防隊として組織されているかと思われます。今後、もちろん地域運営にも左右されるとは思いますが、人口減少にあって、年々とその状況は変わっていきます。その中で、この機能別消防団員について、導入して2年となるわけでありますが、これは今の地域ニーズにあっているのか、また、その検証はされているのでありましょうか、答弁を求めます。
ー消防長ー
議員からもございましたとおり、本市においては機能別消防団員として支援消防団員の制度を導入しています。この支援消防団員の制度は、平成28年度消防団条例の改正の一部として新たに導入したものであり、消防団員の非雇用率が増加を続ける中、地区の意向を踏まえながら、消防団員確保の一方策として、市内3カ所で導入したものでございます。
検証ということでございますが、制度導入後の、導入地域における火災等への対応状況につきましては、平成28年11月に弥栄町野中で行方不明の捜索活動において、支援消防団員12名の方に出動していただき、積極的に活動いただき、無事発見に至っています。また、平成29年3月には網野町磯において発生した建物火災には、支援消防団員10名に出動いただいたところであります。どちらの場合も早期に対応していただき、被害の軽減など効果がありましたので、消防団員の確保が困難な地域での消防力の確保という導入目的は達成できているものと評価しているところでございます。今後におきましても、必要に応じて検証をしていくこととしています。
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