海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

鹿児島県 鹿屋市

鹿屋市(かのやし)の令和3年6月の市議会では、操法大会への参加は義務なのか。災害対応訓練等、やるべきことが他にもあるのではないか。などの質疑がされています。今後は、団員アンケート等を実施して意見を集約し協議していきたいとの事です。

鹿屋市  令和3年6月定例会  06月16日-03号

https://ssp.kaigiroku.net/tenant/kanoya/MinuteView.html?council_id=78&schedule_id=3&is_search=true

 

ー議員ー
 操法大会の意義について示されたい。また、市の消防操法大会の出場に関しては各分団の意思に任せるべきではないか。

 

ー市民生活部長ー

 操法大会についてでございますが、国が定める消防操法の基準に基づき、火災現場での消火活動の基本となるポンプ操作やホースの連結、放水までの一連の動きの中での安全確認や命令の伝達方法などの基本操作を団員が習得するための大切な訓練だと位置づけております。
 操法大会を開催することで大会に向けて各分団が訓練を行うことにより、分団の士気の高揚や一体感の醸成などの効果が得られるなど、非常に重要な活動であると考えております。
 一方で、操法大会の競技式意向が強くなり、それに伴う訓練回数や訓練時間が多くなることで団員の負担が大きくなっているなどの意見も伺っているところでございます。
 このようなことから、今後、操法大会に限らず、消防団に関する様々な団員の皆様の意見についてアンケート等を実施し、消防団本部と協議をしてまいりたいと考えております。

 

中略

 

-議員-
 次に、操法大会について。この操法大会は、出場参加、これは義務なのか、義務ではないのか。

 

-市民生活部長-

 義務かどうかということはちょっと判断しかねるんですけど、要は、先ほど言いました、訓練の中でやはり大事な位置づけがされております。そういう意味では、全分団参加をしていただいており、今2つ種類があると思うんですけど、どちらに参加するかの調査をした中で、全分団がこの操法大会のほうに出場していただいている状況であります。


-議員-

 これ国会でも質問が出たみたいなんですけど、廃止の何かそういった。私、廃止を言っているわけではありませんので、私も操法大会は大事だと思っています。ただ、要は、団員の負担とかいろいろ問題があるようで、そういったところとか。また、この時期なんですね。操法大会がある時期。ちょうどもう災害シーズンなんですよ。災害シーズン。

 私としては、その前に事前防災をやってほしいと。避難訓練もしてほしいと。災害があった地域というのは、もう以前と違って防災に対する危機意識というのは高まっているんですね。なので、そういった意味でちょっと柔軟な考え方、そういった避難訓練をする中で操法訓練をしっかりとすると。そういう柔軟な考え方はできないのかなと。

 

-市長-

 消防団の操法大会についてでありますけど、やはり消防団員が操法技術、消防技術、これを極めるというのは、大変大事なことだというふうに思っております。

 それの一貫としてこの操法大会があって、鹿屋地区、支部、県、全国というのが、全国は2年に1回、こういう仕組みであるわけで。それに乗っかって、市内の、県内もそうでしょうけど、各分団が2つの種目のどちらかに出ているということで、私も団員の、全ての団員じゃないんですけど、聞いた限りでは、操法の技術は、当然、学ばないといけない。

 ただ、学ばないといけないんだけど、そんなバタバタ走って、1分1秒、1分じゃないですね、1秒0コンマ何秒を競わないといけないのかと言う人はいます。

 ただ、技術の向上を図らないといけない。ただ、技術の向上を図るようなときに、我々の学生のときと、テストと一緒ですね。テストがなければ勉強しないよなと。だから、やはり大会は必要だなと言う方もいらっしゃいます。

 ただ、そこに向けての練習というのは、分団によりますけど、常に全国大会を目指して一生懸命やっている分団もありますし、そこまでないところもあるかもしれません。そういう中で、この問題について、我々行政でどうこうという世界ではないと思いますので、しっかり分団幹部と、あるいは団員の皆さんの先ほど担当部長からアンケート調査もするような話もありましたけど、幹部の皆さん、団員の皆さんで、これ操法大会だけでなく、先ほどお話のあったいろんな指揮命令で、あるいは今、分団数も多いわけですけど、今はサラリーマン分団員のような方もいらっしゃって、なかなかいざとなったときは行けないという方もいらっしゃる。

 様々な課題を抱えています。当然、充足率も100%ではない。ほとんど20人から下ですけど、ほかのところは、1分団30とか40とかいうのは結構あるんですけど、うちは分団が小さい、そしてサラリーマン分団みたいな方もいらっしゃって、肝心なときにはなかなか駆けつけられないという、いろんな事情がありますから、それも含めて分団の幹部、そして団員の皆様に様々な形で意見を聞く機会を設けたいというふうに思っています。


-議員-
 今後、消防団のまず処遇改善、若者にも魅力がある、また大事なことは地域に根差した消防団であることだと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

 

市長さんは、消防団のことよく理解していますね。

 

操法大会の「仕組み」を使って技術を習得することは、テストがなければ勉強しないのと同じという意見もあるようですが、操法大会というテストは、実際の有事には必要としない「テストの為だけに存在する問題」が多くあり、それが団員にとっての負担感になっています。

 

 

操法とは、ポンプを使用して水を汲み上げ、消火を行う基本的な方法を体系化したものです。

その基本的(初歩的)なことを競技にしてしまうと、どの様なことが起きると思いますか?

 

競技にしてから最初のうちは、基本が出来ていないところが多いので、優劣が付きやすいですが、基本的なことなので、ある程度すると、みんな出来る様になります。そうすると優劣が付かなくなるので、競技として成り立たなくなります。それを回避する為にはどうするかというと、難易度を上げるしか無くなりますよね。

 

基本の習得の為に始めたことが、時が経つにつれて、熟練技術の競技に変化してしまうのです熟練技術といっても、競技から生まれた技なので、実践で役に立つはずもありません

熟練技術なので、習得に時間がかかります。誰でも出来るような簡単なものではありません。

でもそれが出来ると嬉しくなります。みんなで頑張って大会で勝てば、更に嬉しくなります。

 

あれ?何の為に大会にしたんでしたっけ?

 

 

 

 

消防団員は、自営業やサラリーマン等の本業を持ちながら、時に地域貢献の為に自分や仕事、家族の時間を犠牲にしています。そんな限られた貴重な時間を、どのように活用すべきなのか。

 

令和という今の時代の「地域に根ざした消防団」のあり方を、多くの団員の意見をしっかり聞いた上で、これからも議論を重ねて欲しいと思います。

 

 

伝統というレールに乗っかり、今までと同じことを繰り返して、あたかもそれが最善の道であるかのように話す消防団幹部や議員さんは、まだまだ多いです。それはただ「何も考えていない」ことと同じであることに、早く気づいて欲しいものですね。

 

 

 

鹿屋市消防団の情報はこちらへ

www.shobodan.net

 

 

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「全国消防操法大会の廃止」
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