海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

岐阜県 下呂市

岐阜県下呂市の令和4年6月の議会では、消防団員の処遇改善や操法大会の今後についてなどが質疑されており、操法大会について消防長は「大会へのこだわりが強過ぎ、しばしば様々な弊害が生じている」と答弁しています。来年以降は各方面隊の大会を中止し、市大会のみ開催するようです。

令和4年第4回下呂市議会定例会 6月16日一般質問

https://www.city.gero.lg.jp/uploaded/attachment/13531.pdf

-議員-

初めに、消防団の今後の活動内容についてお伺いをいたします。
消防団は、全国的に今変革の時期を迎えております。操法大会をはじめとする諸問題が課題となっております。総務省消防庁が指導した消防団員の処遇改善には、大きな期待をしておりました。現在の消防団は、消火活動だけでなく災害時の初期対応、復旧活動、人命救助、予防活動など、地域防災の要として地域力となり、多種多様な活動が求められています。

そこで1点目に、消防団員の処遇改善について
下呂市においても今年度から団員の年額報酬と出動報酬が改善されました。消防団、また団員にとって非常にありがたく、地元のために奉仕する意欲、モチベーションアップにつながっています。

そこで、今年度より報酬が個人支給へとなりました。個人支給することによる問題点と課題、今後の活動内容に変更はあるのか伺います。消防団員の活動内容や取組意識の向上も重要になると考えられますので、組織としての取組についてお伺いをいたします。

2点目に、コロナ禍で中止となっている消防操法大会の今後についてです。
消防操法大会については、全国的に様々な意見が出されています。岐阜県が昨年実施したアンケートによれば、操法大会に対し、58%が要改善、不満と回答がありました

しかし、操法の意義は、毎日の訓練をすることにより規律ある動作及び正確な操作にて、混乱しがちな現場において指揮者の命令を遵守し、冷静に迅速かつ適切な消火活動を行うものであり、それ以外にも団員の団結と士気の高揚もその目的とされております。強い絆を披露する場でもあります。習得した消防技術とお互いに築かれた強い分団や地域の結束力が、消火活動以外にも地域防災活動に役立っています。

今後の各方面隊消防操法競技会と下呂市消防操法大会、さらには令和6年に下呂市で開催が予定されている消防感謝祭、岐阜県消防操法大会の計画についてお伺いをいたします。

3点目に、持続可能な消防団への模索についてです。
操法大会の見直しがあるのならば、代わりに団員への教育と訓練など改革はあるのか。また、時代のニーズに合った資機材の充実や分団編成等の取組についてお伺いをいたします。

4点目に、消防団と自主防災組織の連携についてです。
近年、豪雨災害が頻発し、市民の安心・安全な生活を脅かしています。今後起こり得る災害に対し、消防団と自主防災組織の連携は重要な課題と考えます。今後、この2つの組織の連携についてはどのように考えているのかお伺いをいたします。

 

-消防長-

それでは、1点目の消防団員の処遇改善についてお答えをさせていただきます。

議員がおっしゃるとおり、団員報酬は今年度から個人直接支給に完全移行いたします。昨年度までは年額報酬を各分団へ支給し、分団から各団員へ支給していました。この報酬の一部と運営交付金で活動費や操法用のノズル等の購入費を賄っていた部もあるようです。市としましては、災害対応用の機材の購入は計画しておりますが、操法訓練機材は想定しておりませんので、部によっては活動費の実質的な減少も考えられます。現状では活動内容の大きな変更は考えておりませんので、今後の活動状況や意見等を注視しながら、問題や課題が生じないよう適切な消防団運営に取り組んでまいります。

2点目のコロナ禍で中止となっている消防操法大会の今後の見通しについてお答えをいたします。

操法自体は、消防の基本を習得する上で大変重要な訓練と捉えております。しかしながら、大会へのこだわりが強過ぎ、しばしば様々な弊害が生じていることも承知しており、団幹部でも大会の在り方等の協議を重ねてまいりました

今後としましては、訓練の趣旨や団員等の負担を考慮し、来年度以降は各方面隊の操法競技会は廃止し、下呂市消防操法大会のみといたします。開催日は6月の第1日曜日とし、大会に向けての訓練期間なども統一して、団員、家族、職場への負担軽減を図ってまいります

令和6年度岐阜県消防操法大会につきましては、岐阜県と岐阜県消防協会が行う検討委員会において、下呂市開催が表明されております。市としては、萩原地域の飛騨川河川公園で実施したいと考えており、公園整備の兼ね合いもございますので、まちづくり推進課、建設総務課と協議しながら会場整備を進めてまいります。

大会は8月の第1日曜日が恒例となっておりますが、その日は下呂温泉まつりの日でもあることから、開催日につきましては観光課の助言なども得ながら決定していきたいと考えております。

続きまして、3点目の持続可能な消防団への模索についてでございます。
消防団教育として、新入団員教育、ポンプ講習、幹部教育等を実施し、より専門的知識の習得としては岐阜県消防学校に入校していただき団員育成に努めており、今後も継続してまいります。

通常訓練や行事については、各方面隊で訓練種目、訓練内容、行事も統一されていない部分がありましたので、全方面隊で訓練、行事を統一し、知識・技術のレベル等の均等を図りつつ、行事については団員の負担の軽減を考慮して実施してまいります。また、消防署と消防団の連携訓練の充実も図ってまいります。
資機材につきましては、実情に応じた見直しを行い、長期的な整備・更新計画の検討をしてまいります。

また、消防団員が減少する中で適切に災害対応ができるよう、消防団や自治会と協議しながら部や分団の統合を進めることも視野に入れ、持続可能な体制づくりを進めていかなければならないと考えております。

4点目の消防団と自主防災組織の連携について、私からは消防側の立場でお答えをさせていただきます。
消防団員は、団員であると同時に自治会においても重要な担い手である現状において、人口減少や高齢化による防災の担い手不足を補うためには、消防団と自主防災組織が役割を分担した有効な連携が必要と考えます。既に自治会と消防団は密接な関係にありますが、消防団を中核とした地域防災力のさらなる強化は重要であり、地域の特性に合わせた消防団の指導や助言の充実に努めてまいりたいと考えております 。

 

-議員-

その中で、まず処遇の改善のところなんですけれども、これは伝統的といいますか各市町村が合併した市ということでまだ伝統的なところもあると思うんですが、各分団によっては異なると思うんですけれども、個人支給した後、報酬ですよね。これ各分団、部の活動費に係る費用ですよね。要は個人支給、今まで分団に入っていたんですけれども、今は個人支給となったというところで、例えば訓練後の慰労であったり大会後のというようなところがあると思うんですけれども、そういったところをどうやって指導していくのかというところ。均一にするのか各分団に任せるのかというところ。それからあと訓練等が、要するに消防団はボランティアとしても全部が全部出られる団員とそうでない団員といろいろとおるんですけれども、それでも年額報酬は当然一緒というようなところでありますので、団員の出動日数の誤差が生じるのはやむを得ないと思うんですけれども、どのように均一を図っていくのか、答えられる範囲でいいのでよろしくお願いいたします。

 

-消防長-

まず実質的な経費の減少についてでございますが、特に飲食に係るものについては、やはり分団、部でお考えいただくしかないのかなと思っております。ただし、強制的な会費の徴収であったり、このような消防団が納得しないような行為があるようなときは指導や助言が必要かなというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
それから、出動日数の均一ということですが、それぞれの事情もあろうかと思いますので、一概に均一は難しいと思っております。ただ、議員がおっしゃるとおり年額報酬については出動日数に関係なく一律で支払われますので、極端な例がないように把握と管理に努めてまいりたいと思います。以上でございます。

 

-議員-

了解いたしました。そのようなことがありますが、やはり融和というのが大事な、一番そこがベースになると思いますので、そこで地域力が上がっていくと思いますので、その辺の語弊のないようなことを講じていただきたいなということを思いますので、よろしくお願いをいたします。

その次に、今度は競技会、市の操法大会ですね。これなんですけれども、大会を取りやめることによって方面隊の廃止と伺ったんですけれども、訓練の日数が減ることにより、有事の際に対しての消火活動に支障はないのかあるのかというところ、それから実用的な訓練の方針というふうなところの中で、操法の各方面隊の競技会がなくなることによって、今までの消防の操法の訓練にかけた日数よりも少なくなるというようなところの中で、今の例えば実用的な訓練を計画しているのか。例えばドローンであったりチェーンソー、下刈り機であったり活動には重要なものですので、また下呂市ではダムが多いので小型船舶等のこういった訓練もこれからやっていくのかというようなところをお聞きしたいというふうに思います。消防長、お願いします。

 

-消防長-

まず訓練日の日数の減少でございますが、繰り返しの訓練をしていくことは大変重要だと思っております。しかしながら、必要以上に大会にこだわり過ぎて訓練をすることは必ずしも必要ではないというふうにも考えますので、その辺のバランスを考えながら、消防操法を基本として応用訓練も取り入れながら、その辺りは団幹部のほうも十分理解していただいておりますので、そのようにいろいろの訓練指導を適切にしていただけるものと考えております。

それから実動的な訓練についてでございますが、実動的な訓練については、実際に技術や知識を伴う訓練、それから労働安全衛生的に危険を伴う訓練等もございますので、そういうものも総合的に考えながら、既に実施している部分もございますが十分とは言えませんので、今後ますます検討をしていきたいと思っております。以上でございます。

 

-議員-

その中で今、競技会がなくなって市大会になるというようなことなんですけれども、今までもずうっと市大会というのはあったんですが、この市大会についてはやり方を変えるのか、今の恒例どおりのやり方にするのか、その辺をちょっと教えていただきたいと思います。

 

-消防長-

まず大会の種目ですが、年ごとの種目については、基本的には県大会に合わせて自動車もしくは小型どちらかというふうに考えております。それから出場チームについては、基本的には方面隊の意向を尊重しつつも、分団単位の選抜方式というふうに今のところは考えております。分団単位にすることによって、全員が携わって均衡を図っていくというような目的もございます。
いずれにしましても、まだ検討段階ではございますが、現在の方向性はそのように考えております。以上でございます。

 

-議員-

今の競技会がなくなって市大会のみというふうになるということであれば、やっぱり出場の班の数も増やせるんじゃないかなということを思いますので、やっぱりそういったところもレベルアップになると思いますので、その辺のことも考慮していただきたいなということを思います。よろしくお願いいたします。
次、県大会なんですが、令和6年、再来年なんですけれども、今から準備をしておかなければいけないなということを思っております。
そういった中で、まずほかの市町村で県大会をやりますと、例えばグラウンドの舗装をして、大会が終わったら舗装をまた撤去するというすごい非常に費用がかかるようなこともしておる自治体もあったりとかしますけれども、フィールドについては下呂市としてはどのように考えておられるのかということと、費用も自治体での持ち出しもあると思うんですが、大体どのくらいかかるのかということ。それからあと、今の県大会、消防感謝祭という名前がついた以上、非常に多くの方が見えます。関係者や応援団、それからオーディエンス、どのぐらい見込んでおられるのか。それからあと、バザー会場や駐車場の確保はどうするのかというようなところをちょっと聞きたいと思います。お願いします。

 

-消防長-

まずフィールドについてでございますが、県からは、こだわる必要はないと。開催地の方針でいいというふうに聞いておりますので、基本的には公園整備の中で考えていきたいと考えております。

それから費用については、これは全く開催方法によっても異なりますし、大ざっぱなところではございますが、2,000万程度は必要かなというふうに考えております。県からの補助は500万というふうに聞いております。
それからどれぐらいの人間が動くのかということですが、関係者等も含めて、近いところでは郡上市や高山市さんがやっておみえですのでそちらのほうを参考にしますと、5,000人以上は動くんじゃないかなというふうに考えております。

それから駐車場等の用地の確保ということですが、対岸のあさぎりグラウンド側も含めて考えております。駐車場については、1,000台以上は必要かなというふうに考えております。以上でございます。

 

-議員-

令和6年のその大会に向けて、やはり5,000人以上の方々が動くと。動くというかオーディエンスとして来られるということでありますので、非常に下呂市にとっても経済的な効果もあるし、やっぱりアピールできる場所でもあるというふうに思いますので、どうか成功させていただきたいなということを思います。

もう決定ということなのでそこだと思いますけれども、ただ、せっかく地元で開催するということであれば、地の利を生かしてぜひぜひ上位目指して、また全国大会に行けるように頑張っていただきたいなということを思いますので、よろしくお願いをいたします。 

 

 

消防長(※1)の答弁の中にありました、「操法大会による様々な弊害」について、議員さん含め地域の方がご理解して頂けることを切に願います。

(※1:市町村ごとに設置する消防本部の長として管轄区域内の消防署、分署を指揮する者)

 

 

岐阜県は団員アンケートを実施したり、操法大会を中止するなどの、消防団改革を積極的に行っている地域が多いですね。県自体がしっかり動いていることも要因であると思います。岐阜県の県大会についても今後見直しがされていくことを期待します。

 

 

 

下呂市消防団の情報はこちら

www.shobodan.net

 

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