海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

岐阜県 飛騨市

飛騨市消防団では、「NEO(新しい)飛騨市消防団」をキャッチフレーズに、今までの規制概念にとらわれることなく操法や式典行事の見直しを行い、団員およびその家族の負担軽減を図り、併せて実践的な訓練により災害対応能力を向上させる取り組みを行っています。

 

飛騨市消防団は下記のような取り組みを行っております。

(飛騨市ホームページより抜粋)

■訓練
従来行われてきた市操法大会は令和5年度の大会をもって最後とし、令和6年度からは実戦的な消火技術の習得を目的とした「講習会・訓練」へシフトします。また、実戦的な訓練を定期的に実施し火災や自然災害への対応能力向上を図ります。

 

■式典・行事
飛騨市消防出初式(1月開催)は令和6年1月7日の開催を最後として、令和7年からは4月に「飛騨市消防出初式」「飛騨市消防団入退団式」を合わせて開催します。年末夜警の来賓等による激励行事は廃止します。消防団幹部講習や各種講習会の合同開催を進め、団員の負担軽減を図ります。

 

■市単位の消防団関係表彰の見直し
市単位の表彰数を削減し、表彰状・バッジの贈呈から、商品券の贈呈へ変更します。県知事表彰(優秀家族賞)の贈呈に併せて、市から商品券を贈呈します。

 

■令和6年の飛騨市消防出初式での団長訓示の内容を一部紹介します

飛騨市消防団では、新入団員の確保が喫緊の課題となっております。これは、少子高齢化の影響もありますが、操法大会をはじめ、休日の式典行事による団員や家族への負担が、入団を躊躇させる原因と考えました。このマイナスイメージを払拭するために、飛騨市消防団は改革を行います。

改革のキャッチフレーズは「NEO 飛騨市消防団」NEOには、「新しい」「近代の」また「新時代の」という意味があります。このキャッチフレーズのもと、操法や式典行事から実践訓練へシフトすることで、団員や家族の負担を軽減し、入団促進に繋げて参ります。また、実戦訓練へシフトすることにより、火災や自然災害への対応能力を向上させ、より強固な消防団組織を作って参ります。その第一歩として、例年1月に開催していた飛騨市消防出初式は、令和7年からは、4月の入退団式と同時開催することとしました。ちなみに4月に出初式を挙行するのは、県下初のことになります。これ以外にも、「年末夜警の来賓による激励の廃止」や、「表彰に関する見直し」等、式典行事の見直しを行います。訓練については、飛騨市操法大会は昨年を最後とし、令和6年度からは、より実践を意識した訓練内容に変更します。また自然災害への対応訓練も随時実施していきます。飛騨市消防団は、今、直面している多くの課題に立ち向かい、いままでの既成概念にとらわれることなく、改革を推し進め、持続可能な消防団を、諸君と共に目指していく所存であります。

 

この様な改革ができる団長を持つ飛騨市消防団は素晴らしいですね。団長なら自分の思い通りにできるというわけではありません。今までの古い消防団活動を是としてきたOBや関連団体、重鎮の議員さんなどに対するしがらみを背負っています。

全国的に、このような取り組みが広まってきているとはいえ、今まで長年やってきたことを否定したくない思いがある者、まったく現状や周りが見えていない者が消防団幹部には多く存在します。

なんたって、消防団は会社のような人事昇格制度はほぼ無く、いままでの消防団が大好きで出席率の良い人が幹部になりやすいので、なかなか改革が進まないのです。

消防団に不満を持っている人は、やめていきますからね。

 

最後に令和5年9月13日の飛騨市市議会(令和5年第3回飛騨市議会定例会)で今回の案件について質疑されているので紹介します。

https://www.city.hida.gifu.jp/uploaded/attachment/22469.pdf

■議員

飛騨市では消防団員の確保や今後の訓練内容についてどのように取り組まれているか
伺います。
1つ目、消防訓練について。今回7月に行われた競練大会は操法大会に代わって初めてと伺いましたが、競練大会も今回で終了と聞きました。来年よりどのような取り組み、大会になるのか。
また、新入団員を増やすために負担を減らす取り組みや、仕事やプライベートの時間を削ることが少ない内容なのか。実際に災害現場で役に立つ訓練になるのか伺います。

■消防長

消防団員の確保や訓練について答弁させていただきます。
1点目、消防訓練についてですが、消防操法については競技性が高くなり、消火技術とは関係のない行動が形式化され審査されるなど課題もあり、これまで随時見直しがされてきました。また、飛騨市消防協会でも、市大会の出場チームを輪番制として出場機会を減らし、「練習は週2回まで」、「土日祝日の練習は行わない」などルールを設け、団員及び家族の負担軽減を図ってきたところです。それでも今年度までは基本的に全国消防操法大会、県消防操法大会の要領に準じた大会でしたが、令和6年度は新しい飛騨市独自の消防訓練を実施します。
その内容については、「消防技術指導会」これは今のところ仮称ですけれども、消防技術指導会の検討委員会を令和4年度に消防団幹部を中心に立ち上げ、現在、実施要領及び指導要領を作成しているところです。具体的には、形式的な部分パフォーマンス的な要素はなくし、消技術の基本操作の習熟をすることを目的として、毎年想定を少しずつ変えながら、実践的な消火技術を披露するものとしています。また、競技性は一切排除し、審査や採点、タイム測定は行わず、基本技術、器具愛護、安全配慮について指導要領をもとに確認しフィードバックすることで、実際の災害現場に役立つものと考えております。
大会の名称については、先ほど仮称と前置きさせていただきましたが、操法に変わる全く新しい指導会になることを団員や市民に知っていただくため、団員に公募して決める予定です。また、競技性がなくなるため、仕事やプライベートの時間を削るなど過度な負担にはならないと考えています。 

 

飛騨市消防団の情報はこちら

 

 

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「全国消防操法大会の廃止」
https://www.change.org/Stop_SohoTaikai
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