海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

長野県 長野市

長野市は平成30年12月、消防団員に対しアンケート調査を実施しました。その中では、消防団活動で負担感が大きいと思うことはの問いについて、71.3%の団員が「ポンプ操法」と回答しています。令和元年6月11日総務委員会では、今回のアンケート結果を踏まえて、団員の負担軽減に向けた改善に取り組んでいることを報告しています。

また令和元年6月25日の長野市定例記者会見では市長から操法大会が消防団員にとって負担となっていることを認識していると発言しています。

 

 

f:id:KaibaraTomoaki:20200813134217p:plain

消防団アンケート結果(令和元年6月11日総務委員会より抜粋)

2,492人中2,136人回答(回答率85.7%)

設問1 消防団に入団した理由は

  • 知人・友人・消防団員・地区の人等に誘われた 1,737人(81.3%)
  • 小さいころから身近に感じていた、又は親・兄弟が消防団員だった 138人(6.5%) 

 

設問2 消防団活動に年間どの程度参加していますか

  • ほぼ全て参加している (32%)
  • 3分の1程度参加している (32%)
  • 2分の1程度参加している (32%)
  • 年間活動実績なし 47人(2.2%)

 

設問3 災害活動以外の消防団活動で負担感が大きいと思うことは

  • ポンプ操法 1,522人(71.3%)
  • 年末警戒 615人(28.8%)
  • 消防出初式 513人(24%)

 

設問4 消防団員になって良かったことは何ですか

  • 人間関係のつながりが増えた、信用のおける仲間が増えた 1,432人(67%)

 

 

-警防課長-

 なお、今回のアンケート結果を踏まえて、団員の負担軽減に向けた取組について、消防団本部で協議をして早急に改善を図るため、今年の4月下旬に開催しました消防団の幹部会議で各分団長の皆様方に改善案を提言いたしまして、了承された内容4項目について御説明をさせていただきます。
 1項目めですが、ポンプ操法大会に向けた訓練についてです。
 先ほど説明したとおり、ポンプ操法の訓練を負担に感じている方が7割いるという中で、長野市の場合は5年に一度、各ブロックから出動分団を決めて出動をいただいております。そのため、各分団は5年に一度、ポンプ操法に向けた訓練を実施するようになっております。
 ポンプ操法については、消防活動技術の向上はもちろんですけれども、消防団組織としての規律や連帯感をつくり、消防の使命であります命と財産を守るという崇高な使命をも養うことができる重要な訓練であると考えております。また、火災現場で安全に活動していただくためには、訓練は重要なことと考えております。
 また、地域でポンプ操法大会に向けて一緒に取り組み、応援しているところもございます。正に地域防災のかなめの消防団と地域が一体となって、ふだんから連携や協力をしているということで、地域の防災力の向上につなげていただいているところもございます。
 そんなことから、消防団本部としては、ポンプ操法大会をやめるのではなくて、大会に向けた訓練回数と時間を制限することで、負担軽減について提言しております。
 訓練回数を週3日以内、訓練時間を2時間とするものでございます。ただし、週4回以上の訓練は、分団員、選手も含めて全員の了承を得た場合のみとして、担当の方面隊長に許可を得て実施するものとしております。その結果、今年度、ポンプ操法に出場する16分団ございますけれども、6月中の訓練回数については、3日以内のものが10個分団、4日又は5日のものが6個分団でございます。半数以上の10個分団が3日以内の訓練として取り組んでいただいている状況でございます。
 2項目めは、ラッパ吹奏大会の出場についてでございます。
 各班で出場の有無を決定して、強制はしないということとしております。音楽隊は、各分団長が分団の中から若干名指名をしておりまして、ラッパ吹奏大会の出場は、ポンプ操法とは違いまして5年の縛りがなく、毎年出場するようなことになります。そんな関係で、音楽隊には負担となっていることから、強制はしないということとしております。なお、今年度の出場チームにつきましては、8チームということで、昨年と同様でございます。
 3項目めは、警鐘打鳴についてでございます。
 火災予防運動中など、警鐘を打鳴する場合、高所での活動になるので危険と感じている方が多く、見直しをしていただきたいという意見が多くありました。火災予防に伴う警鐘楼等における打鳴は行わないものとして、今後火災予防運動の際は、積載車などの警鐘を鳴らしながら警戒することと変更しております。
 警鐘打鳴については、火災予防運動中など、分団長の計画により夜9時に実施しておりますけれども、夜は暗くて危ない上に、一人で危険を伴うということで、積載車等でも十分火災予防啓発は可能と判断し、中止としてございます。
 最後の4項目めですけれども、これは先ほども多かった年末警戒、消防出初め式についてでございます。
 年末年始と負担が大きいなど意見が多かったことから、今後、出動人員ですとか実施時期、実施方法を検討して、今年度から見直しが図られるよう取り組んでいくというものでございます。
 このように、アンケート結果から要望の多かったものについて、少しでも団員の皆様の負担軽減となるよう改善を図っていただいております。今後も、より良い消防団組織に向け、アンケート調査の結果を分析しながら、課題整理や取組が必要な事項について団本部と協力して、引き続き検討してまいります。

引用元:https://ssp.kaigiroku.net/tenant/nagano/SpMinuteView.html?council_id=933&schedule_id=1&minute_id=342&is_search=true

 

 

 

令和元年6月25日 長野市定例記者会見

-市長-

6月23日に長野市消防団ポンプ操法大会・ラッパ吹奏大会が戸隠で開催された。私も当日、会場でいくつかの分団の操法を視察した。
 長野市消防団は、地域防災の要として、欠くことのできない存在であるが、団員の高齢化や新入団員の不足など、さまざまな課題を抱えている。そこで、今後の消防団活動や入団促進の取り組み、また魅力ある消防団づくりにつなげるため、昨年12月に消防団本部が、団員に対する無記名アンケートを実施した。
 アンケートの中で「災害活動以外の消防団活動で負担感が大きいと思う点」を聞いたところ、7割以上の団員が、ポンプ操法と回答した。ポンプ操法は、火災現場で安全に活動していくために大変重要である上に、命と財産を守る崇高な使命も養うことができる最も重要な訓練と考えている。
 消防団本部では、負担軽減のため、大会に向けた訓練回数と時間の制限を設けるといった対応を取っていきたいとのことであった。その中で行われた団員の皆さんの正確な操作と洗練された無駄のない動きは、なりわいを持ちながら、日々、訓練を重ねてきた努力のたまものであり、改めて敬意を表したいと思う。
 また、ラッパ吹奏大会の出場についてもアンケート結果を踏まえ、各班で出場の有無を決定し、強制はしないといった対応を取ってもらったようだ。本年度の出場チームは、昨年度と同じ8チームであったが、今後もアンケート調査の結果を分析しながら、課題整理や取り組みが必要な事項について、消防団本部と検討していくとともに、組織改革や処遇改善についても、活動しやすい環境の整備に向けて取り組んでいきたいと考えている。

引用元:https://www.city.nagano.nagano.jp/site/kisyakaiken/433341.html

 

 

 

令和元年9月定例会  08月06日−02号

-議員-

 消防団員アンケート調査を踏まえた今後の消防団ポンプ操法大会の在り方について伺います。
 過日、消防団員の方々へのアンケート調査及びその結果を踏まえ、対応について実施報告がされ、また、消防団のポンプ操法に関する報道が目に付くようになり、課題も多いと聞き及んでおります。
 消防団のポンプ操法大会への対応は、その分団により訓練方法も多種多様となってきているとのことです。消防団に入団したからには、現場に駆け付けたとき、消防ポンプの使い方が分からなかったり、水が出せないことは論外で、火災対応時の住民負託を受けた消防団とすれば、ポンプ操法の技能習得は必須と考えます。
 消防団組織は、地域防災の要であり、今後も安定した組織として維持していく必要があり、常備消防の消防局と非常備消防の消防団が両輪となって、市民が求める安全・安心の負託に応えていただきたいと思っております。
 アンケート調査結果を踏まえながら、今後の消防団のポンプ操法の在り方について消防局長の見解を伺います。

 

-消防局長-

 ポンプ操法は、総務省消防庁が定める消防操法の基準に基づき、火災の消火を想定した基本的な操作を習得することを目的としております。
 規律ある迅速な行動、的確な命令と伝達は、火災で混乱している現場において正確な操作と命令系統を遵守することで、活動する団員の安全を確保するとともに、早期の鎮火を目指すために必要不可欠な要素がポンプ操法の一連の行動の中に取り込まれており、消火活動に従事する消防職・団員には、ポンプ操法は基本的な技術を習得するための重要な訓練であると考えております。
 また、ポンプ操法大会を実施することは、目標を明確にし、団員間の結束力を高めるとともに、訓練意欲を高め、消火技術の安全、確実、迅速性についても身に付いていくものと考えております。
 そのような中、消防団本部では、アンケート結果を踏まえ、本年度は訓練の回数と時間について見直しがされました。今後の消防団のポンプ操法の在り方につきましても、消防団員の負担軽減を視野に入れながら、消防団本部の意向を尊重し、消防局としてもそれを支援してまいりたいと考えております。

引用元:https://ssp.kaigiroku.net/tenant/nagano/SpMinuteView.html?council_id=874&schedule_id=3&minute_id=41&is_search=true

 

 

 

操法大会への負担の対応として、大会に向けた訓練回数と時間を制限する改善を行っていますが、抜け穴(全員の了承を得た場合はその限りではない、決め事は週単位のみ)もあり、長野市消防団員の皆さんが納得されているのか疑問が残ります。

 

 

長野市の議員さんの中には消防団員として活動されている方もいらっしゃいます。

その方が議会で「消防団」と言葉を発したのは平成29年から令和2年9月までで3回。「団員の負担軽減」「団員の高齢化」「団員の不足」は0回です。これでは票田とかいわれても仕方ありません。消防団員の生の声を聴き、議会で改善を求めていく姿勢がない消防団議員に意義はあるのでしょうか。

 

今後も議員の皆さま、消防団幹部の皆さまには、消防団そして地域防災のためにご尽力いただきますようお願いいたします。

 

 

 

長野市消防団の情報はこちら

f:id:KaibaraTomoaki:20200517001906p:plain

 

 

--------------------
以下のキャンペーンに賛同をお願いします!
「全国消防操法大会の廃止」
http://chng.it/Kx45cBjj
--------------------

ブログランキング・にほんブログ村へ