海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

岡山県議会

令和3年6月の岡山県議会では、時代の変化と地域の事情を考慮した上で、持続可能な消防団の運営のために、消防団員の負担軽減と在り方をしっかり考えていかなければならないとして、県内の消防団員数及び報酬の改善の必要性や、操法大会の大規模な県大会を廃止すべきと質疑しています。

岡山県議会 2021年6月22日-03号

https://ssp.kaigiroku.net/tenant/prefokayama/MinuteView.html?council_id=159&schedule_id=3&is_search=true

-議員-

 次に、消防団の改革について質問させていただきます。 消防団員の皆様には、仕事を持ちながら地域の安心・安全のために、日夜、火災の出動に備え、訓練、待機、防災意識の高揚活動をしていただき、また、豪雨での浸水対策など、水防団の役割や地域防災の自主防災組織での役割、就農人口の減少の補完としての水路や道路の草刈りなど、多面化する役割を期待され、責任感を持ってそれに応えていただき、頭の下がる思いであります。

 そのような中、総務省は、全国の令和2年度消防団員数が81万8,478人と、2年連続1万人減少したことから危機感を持ち、団員の処遇改善と報酬の個人への直接振込などを通知しています。しかしながら、私は、時代の変化と地域の事情を考慮した上で、持続可能な消防団の運営のために、消防団員の負担軽減と在り方をしっかり考えていかなければならないと思います。現在、国の想定する消防団員は、10万人当たり583人でありますが、岡山県の10万人当たりの団員数は1,425人と約2.5倍です。広島県の倍、東京、大阪の約10倍であります。この率の団員が本当に必要だとすると、同じ日本において同じ率の税金を払いながら10倍の行政サービスの不均衡があるということになります。不均衡がないのならば、10倍岡山県は県民に負担を課しているということになります。

 少し調べてみますと、このようなばらつきが発生した原因は、平成の大合併を経ても、岡山県内の市町村において、消防団員の条例定数が削減されていないことが原因と分かりました。また、定数がさほど変化ない状況の中で、少子化や都市部への人口流出が進んだわけですから、成り手不足も説明がつきます。さらに、個人の価値観の変化や家庭の事情により、消防団活動に参加しようとする意識の強い人口が減ってきていることも事実です。

 期待される役割についても調べてみました。常勤消防職員の常備化率は、昭和45年の30%から令和2年には98%とカバーされています。その間、全国の消防団員は約3割減となっています。火事の現場での役割から、水防団や自主防災組織での役割と、地域に根差した役割に変化してきました。重要な点は、いざ地震や水害が起こった場合、消防団員は災害の現場への出動が求められ、地域に残り、自主防災組織のリーダーとしての役割は果たせないという課題があります。よって、消防団員に自主防災組織のリーダーの役割を求めるのは、間違っていると認識しなければいけません。

 こうした様々な理由から、消防団の分団の数を平成の大合併後に必要な分団数に再編し、定数も削減し、退団者に地域に根差した自主防災組織のリーダーとしての役割を期待するのが合理的ではないかと考えています。また、同時に、消防団に期待される役割の変化と負担軽減のために、操法大会の大規模な県大会を廃止すべきであると考えています。先ほど述べたとおり、消防団員の個人の価値観の変化や成り手不足により、県大会に出場をかけた市町村での操法大会の上位入賞を期待するOBや旧来の地域の期待感、さらに現役団員の負担を増長していると考えるからであります。この消防団の問題に対する改革について、知事の御所見をお伺いします。

 

-知事-

 消防団の改革についての御質問でありますが、組織や団員定数、自主防災組織との役割分担など、消防団の在り方については、地域の実情に応じ、市町村において適切に検討されるものと考えておりますが、県では、団員の処遇改善に向けた国の動きや負担軽減につながる取組などの情報提供を行っており、相談があれば対応してまいりたいと存じます。

 また、県消防操法大会については、消防団長等で構成される実行委員会が消防精神の高揚や技術の向上を目的に実施しておりますが、現在、国において、全国大会や訓練の在り方の議論が行われているところであり、その結果を踏まえ、必要に応じ、実行委員会において適切に検討が行われるものと考えております


-議員-

 答弁ありがとうございます。先ほど申し上げました岡山県と全国を比較しての消防団員数の不均衡は、先ほど言われました報酬についても大きく現れていまして、国の想定する消防団員の報酬は3万6,500円ですが、岡山県内の市町村では、1万円しか条例で決まってないところがあるわけです。最高でも3万円に届かないわけでありまして、国は消防団員に直接3万6,500円を振り込めと言っているわけですから、それに対しては市町村もこれから負担が発生してくると思いますし、もしかすると県のほうからもそういった補助が求められるかもしれません。市で改革しようと思っても、日頃からお世話になっている消防団の方に、「おたくのところはちょっと多いから減らしますよ」というのは、なかなか言えないところがありまして、そこはやはり広域行政の県が幾らか定数のところを示すというのは、必要なのかなと思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。


-知事-

 例えば、市町村が定数を減らしたいと思ってもなかなか言いづらいのではないかと。であるならば、県がしてあげたらどうかという質問だと思います。

 我々、少なくとも市町村から、「実は定員を減らしたいのだが」という相談は受けたことがないと伺っているところでございます。私がもし市長や町長であるとするならば、消防団員というのは非常に頼もしい人たちであって、わざわざ自分から減らそうということは、なかなか考えづらいだろうと。ただ、これはPTAと同じようなことがあって、参加して中で活躍すれば充実感を感じるけれども、やっぱり大変だなとか、もしくはそこまでの意義を感じていない人からすると、本当に無理やりやらされているというふうに思っている人がいてもおかしくないということですので、何か団員から、これではやっていられないという問題が組織化すれば別ですけれども、県や市町村から減らしたいということには、なかなかなりづらいのではないかと考えています。

 

令和2年の総務省消防庁にて実施された「消防団員の処遇等に関する検討会」を受けて、県議会でも消防団の改革に対する質疑が行われるようになりましたが、上(国)か下(市町村や市民)からの要請がなければ動けない(動かない)ようです。

 

消防団は、地域のしがらみと上からの圧力が大きく、意見を言い難い環境であり、決められた事だからしょうがないと、諦めた人たちで構成された団体であったと言っても過言ではありません。

 

ですが、今は消防団を変える絶好の機会です。

 

様々な地域で消防団改革が行われています。

 

変えたいと願っているのはあなただけではありません。

 

声を上げることで世の中は動き始めます。

 

 

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「全国消防操法大会の廃止」
https://www.change.org/Stop_SohoTaikai
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