福岡県うきは市では、消防団活動の負担軽減と団員確保に対する課題解決に向けて、議会や意見交換会などで議論し改善を進めています。
前回は令和元年6月の議会と11月に提出した提言書「うきは市消防団活動の軽減と団員確保に対する積極的対応について」について紹介しましたが、12月の議会でも、議員さんが、団員確保、団員の優遇措置、OB団員の活用・処遇、消防団の行事の縮小、福岡県消防操法大会について、質疑応答していますので一部紹介させていただきます。
令和元年 第4回(定例)うきは市議会会議録(第2日)令和元年12月9日
ー議員ー
団員確保については、以前、質問をいたしました。私の住んでいる朝田原の例を取り上げ、具体的に説明をして、朝田原区では大変苦労をしてる。
ほかにも幾つかの行政区が同じ状況であるので、行政区での団員確保は限界になっている。そのため、市に団員確保にかかわってもらいたいと強く要望をしましたが、そのときの市長の答弁は、消防団のことは消防団に任せているので、市はかかわらないとのことでした。今もその考えは変わっていないのか、答弁を求めます。
ー市長ー
消防団員確保について、市がかかわることができないかとの御質問でありますが、消防団員確保の件に関しましては、平成28年第2回定例会の際にも関連した質問をいただいており、その際にも答弁いたしましたが、市としての取り組みといたしまして、消防団員募集に関する、広報うきはに掲載、行政区へのポスター掲示依頼、パンフレットの回覧依頼、区長への文書による協力依頼などを行いながら、各分団の消防団員による募集活動を行っていただいております。また、平成29年度からは、住民基本台帳をもとに、入団適齢期に当たると思われる20歳から40歳までの名簿を閲覧してもらい、勧誘に回る際の資料として提供しているところであります。また、行政区によっては、区長に御協力をいただき、同行して勧誘に回っていただいているところでもあります。市といたしましては、消防団は地域に密着した組織であることから、これまで同様、地域に精通した消防団員が新たに団員を勧誘していただく方法でお願いしたいと考えております。
しかしながら、人口減少や地域コミュニティの希薄化など、さまざまな影響により、消防団員確保の問題は年々厳しさが増していることも事実であります。消防団員は地域の防災力の中核を担う重要な存在であるため、市といたしましては、各自治協議会に対し、消防団員勧誘に対する御協力を要請し、区長会等へ消防団員確保についてのお願いをしてまいりたいと考えております。
また、防災訓練等の際にも、消防入団をお願いしていきたいと、このように考えております。
ー議員ー
今、市長からの団員確保についてのいろいろ取り組みをお聞かせいただきましたけど、パンフレットを配布する、チラシを張る、区長にお願いする。このことは、あんまり効果は私はないと思います。
それで、今回も再度質問をしましたが、たしか、ことしの3月ぐらいやったと思います。団員が入れかわる前やったけん。3月か2月ごろ。ある区の区長がまた同じことを言いました。「どげんかならんの、市の役所のほうで。これはもう区長でも無理ばい。もう限界ばい」ということでした。それで、パンフレット、チラシ、区長がちょっと一、二回行って、それで入るくらいならもう、こんな質問はしません。しかし、もう限界になっとるとですよね、勧誘。
まず、一番の原因は、親が子供に会わせてくれないと。もうほとんど、その勧誘に行って挨拶しても玄関払いです。じゃったそうです。それで、再度、これはお願いしたいと思って質問をしているわけです。
それで、この2番とも少し関連しますが、やっぱりどこの自治体でも同じ問題が起きとるんじゃなかろうかと。それで、団員の優遇措置を、飲食店あたりと協力をもらって。団員に限らず、家族までですよね、それは。やっている自治体、新聞にも時々載りよります。それをやっぱり市長は、今、商工会と話し合いはしたけど実現しなかったということです。やっぱり、もうちょっと腰を入れてやらんと、それ、どげな話ししたか、何回話したかもわかりませんが、やっぱり腰据えてきちっとやらんと、それで、どうしても商工会が、そんな1割引き、2割引き、し切らんばいと言うたときは、それは市も覚悟して、そのぐらい市が補塡するというくらいの覚悟を持ってやらんと、それは商工会も自分のとこが、やっぱり、それだけ利益が減るわけですから、それは簡単にうんとは言いませんよ。どげんですか、その辺。
ー市民協働推進課長ー
団員の優遇措置についてですけれども、このほど、商工会のほうと協議をさせていただきました。商工会の会員のほうに、消防団について応援ができないかというところで、何か優遇措置を設けていただけないかという通知を出すところまでは考えております。それがうまくいけば、早速、来年度、団員の証明するものをつくりまして、優遇措置を実施したいと思っておりますが、まずは団を応援する店を募りたいと考えております。
ー議員ー
もう、この質問は何年になるですかね。もう6年か7年前にしたっちゃなかったかな。そいき、6年間、何もせんのに、今になって、まずは、お願いするんですね。なら、市もやっぱり覚悟して、これは最後と思ってお願いをしていただきたいと思います。そいき、商工会が、その協力してくれんなら、その部分を市が補塡して、商工会に補塡するというところまで覚悟してやってもらいたいと思いますが、市長、いかがでしょうか。
ー市長ー
今、取り組んでいるんじゃなくて、先ほど答弁させていただきましたように、27年に、そういう取り組みをしたけれども、うまくいかなかったということは御理解いただきたいと思います。
それから、課長のほうからありますように、消防団応援の店、これは全国的な取り組みなんですが、消防団応援の店制度の導入により、団員家族への優遇措置ということでありますので、応援、そして、そのつながり、優遇措置というのがつながってきてますので、そこは御理解いただきたいと思います。このほかにも全国的に、いろんな取り組みをされている事例がありますので、今、しっかりそういう事例を集めて、いろいろ検討をさせていただいているところであります。
ー議員ー
消防団の行事ですね。縮小を検討しているということです。これも団員確保の1つのポイントではなかろうかと私は思っております。行事が多過ぎですね。
これは、先日、消防団分団長と副分団長、それに議員との意見交換会をやったわけです。2回に分けて。2回目は、何ですか、消防本部の幹部やったですかな、ということでやりました。しかし、いろいろ意見を出して聞かせてもらった結果、現一般団員の人たちとは、ちょっとやっぱり温度差があるというかな、やっぱり分団長、副分団長、それに本部の役員とか、そういう方たちは、やっぱり何か物すごう責任感があるので、いろいろ行事は減らさんで、このままやっていきたいような意見が多かったと思います。しかし、現団員と話ししていると、やっぱり消防団に入って、もう家族サービスも何もできんと。やっぱり消防団の行事が入ると予定も立てられんということで、これもやっぱり団員確保の1つのポイントになっとるとじゃなかろうかと思いますので、ぜひ、やっぱり幹部やら市長は減らさんほうがいいと考えているかもしれませんけど、ぜひ縮小をお願いしたいと思います。
ー市長ー
消防団の行事につきましては、今までいろいろ見直しを行ってきております。団幹部の方々とお話しすると、これ以上は、やはり行事の縮小は難しいのではないかなという意見でございます。ただ、行事の時間を短縮するなど、そういうところを今、考えておるところでございます。
ー議員ー
時間短縮は、それはいいことです。しかし、4時間かかろうが2時間かかろうが、出てこにゃんことには間違いないですよね。その場に来なんとだけん、行事は。そいけん、行事そのものをなくせんと、その日は、やっぱり時間をつくらにゃいかんということになるんですね。ぜひともそれはやっていただきたいと思います。
何回ぐらい、今、行事あるんですかね、消防団の行事。それに訓練ですよね。私も14年ぐらい消防団に入っておりまして、やっぱり分団長までさせていただきましたが、相当出らにゃんですよ。出初め式前の、何ですか、小隊訓練展示か、あれだけで、やっぱり1カ月半ぐらい多分、毎晩練習しよったち思います。消防団の行事のほかに訓練でかなりの日数を潰すですね。潰すというか、出席をせんとできません。そいけん言いよるとですね。なるべく、ふだんの、その昼間の行事とか、そういうものを減らしてもらいたい。訓練は、小隊訓練やら見よると、ばらばらになっとっても、参加することに意義があるで、やればいいけど、どうしても、きちっとした動作、ポンプ操法やら見よったっちゃわかるでしょう。もう、気をつけとか敬礼の仕方の指先の細かいとこまでやらるっですね。そういうことですよ、訓練は。どげんです。市長、どげんでしょうか、この問題は。
ー市長ー
消防団の活動については、これまでも長い歴史があって、かつ、やっていることも、儀式だけではなくて、先ほどから答弁をさせていただいてますように、技術の習得とか結束力とか、いろいろな意味合いを持ってやっている行事が全てであります。今まで改善できるものは、ほとんど改善を尽くしたような感もありますけれども、しかし、今、先ほど答弁させていただきましたように、再度、今、消防団と協議をさせていただいておりますので、またしかるべき時期に、議長からも御提言いただいてますので、文書で、しっかり回答させていただきたいと、このように思ってます。
ー議員ー
次に、県の操法大会。これ、大体、福岡県のその操法大会、あれは市町村まで含まれるとかな、操法大会、出動―参加は。何、幾つあって、幾つ参加しよるとですか。
ー市民協働推進課長ー
昨年、県の消防操法大会がございました。これには、小型ポンプの部とポンプ車の部と分かれております。ポンプ車の部が全国大会につながるというところでございますが、福岡県に60市町村ございますが、そのうち24市町村が出場しております。これは2年に1回というところでございます。
ー議員ー
60市町村あって24の参加。半分以下ですよね。何で、うきは市はそがん参加をしたがるとですか。理由を聞かせてください、その参加しよる理由を。先ほど、団員の意識の高揚とか統率とかいろいろ市長は言ってましたが、そのことだけです。
ー市長ー
先ほども答弁させていただきましたけれども、やっぱり火災時の必要な基本動作の習得とか全体的な組織の結束力の強化、これが大きなポンプ操法の意義だと思います。
そして、県の操法大会に行きますと、もっとハイレベルな技術と体力、精神力、結束力というのが求められるようになるんですが、こういうことを通じまして、いざ火災が起きたときに、しっかり対応できるような、そういう基礎知識といいますか、基礎力をつける、こういうことでやらせていただいているということを御理解いただきたいと思います。
ー議員ー
それが、今言った参加しとる理由ということですね。私は何もならんち思います。
ほかに、あれは、あれだけ各団から選手が選ばれてくるわけですよね。それが各分団に帰って、その人だけ一生懸命やっても、ほかの団員は何も、そげな動作も何もせんですよ。それよりかはもう、現場で即対応できるような訓練をうきは市の中でやればいいんじゃないかと思います。
県操法大会、あれ、予算が四、五百万、たしか使いよったち思いますが、金もかかっている話です。そいき、60市町村あって、それが58とか59、もうほとんど参加しとるというなら、それは、うきは市も参加するべきだと思いますが、24ですよ。何らかの理由があって、多分、参加を取りやめとると思います。ぜひとも、これは市長、決断をいただきたいと思いますが。次回からですね。
もう火災現場が、あげな動作をする暇ねえんですよ、また。私も14年おっていろいろ火災とか災害を経験しました。しかし、ああいうポンプ操法、何と言ったらいいかな、見映えはいいですね。確かに基本的な動作で、あれだけきちっとせにゃいかんとかと思いますが、あれを火災現場でやれって言ったっちゃ、誰もせんですよ。どげんするとですか、こうやって、こうやって。手を上げる暇があるなら走るですよ。それで、現場で、何というかな、見合うた訓練を、消防署もおることですから、消防署からいろいろ指導をいただきながら、市の中で、火災現場、山林火災はこうだ、建物火災はこうだということですよ。
ー市長ー
基本的には、議員が一番御承知だと思いますが、これらの消防活動については、江戸時代の町火消し、あるいは明治時代の消防組以来の伝統でありまして、この基本精神というのは現代も変わらないと私は認識をしております。
いずれにしましても、福岡県ポンプ操法大会の参加の可否については、このうきは市消防団全体の士気にかかわる重要な問題でありますので、私のトップ命令というよりも、十二分に消防団と協議をして判断をさせていただきたいと思ってます。
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