海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

新潟県 上越市

新潟県上越市は、上越市消防団の在り方についての提案を行うため上越市消防団適正配置検討委員会を立ち上げ、2019年3月に報告書を提出しました。この活動によって消防団の課題団員の声が明らかとなり、消防団や市議会が改善に向け動き出しています

  

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「上越市消防団適正配置検討委員会」報告書では、消防団が抱える課題や地域の実情を把握・分析するため、消防団員及び町内会長等を対象にしたヒアリング調査、アンケート調査を実施し、12 回の委員会において、検討・議論した内容を整理し、団員の負担軽減と効率的な消防団活動を支えるための「体制再編」「活動拠点である消防器具置場の整理・統廃合」「消防訓練・行事の見直し」等に関する提言を行いました。

 

この報告書は、とても詳細に書かれていますので是非原文をお読みください。

http:// https://www.city.joetsu.niigata.jp/uploaded/attachment/160002.pdf

 


その中では、全消防団員にアンケート調査を実施した結果、消防団員から儀礼的な活動や競技化した訓練の必要性を疑問視する声が多くありました。

 

◆消防団活動における必要ないと思う行事 (上位5つ)

  1. 各方面隊のポンプ操法競技会 1,135/総数 3,452 (33%)
  2. 上越消防大会(7 月)       1,032/総数 3,452 (30%)
  3. 全体出初式(1 月・市)      988/総数 3,452 (29%)
  4. 上越市消防点検(6 月)      938/総数 3,452 (27%)
  5. 出初式(1 月・各方面隊)     934/総数 3,452 (27%)

 

◆消防団活動における必要ないと思う訓練 (上位5つ)

  1. 部隊訓練           1,890/総数 3,452 (55%)
  2. 人員姿勢服装の点検      1,414/総数 3,452 (41%)
  3. 小隊編成訓練         1,345/総数 3,452 (39%)
  4. 各個訓練           729/総数 3,452 (21%)
  5. ポンプ操法訓練        660/総数 3,452 (19%)

 

 

この報告書が提出された後、市議会にて消防団改革に対する質疑応答が活発にされています。令和2年 第1回(3月)定例会では市長から、令和2年度からの取組例として、新潟県の消防大会前に部隊訓練やポンプ操法を披露している上越消防大会は廃止すると答弁がありました。

 

 

 

令和元年 第2回(6月)定例会  06月14日

ー議員ー

消防団の適正配置について質問をさせていただきたいと思います。先ほども私1回目の質問の中でいろいろ言わせてもらいましたが、率直に言って検討委員会の報告書を読んだ中で調査報告書ありましたよね、あの調査報告書が非常によくできていて、その概要についても持ってきたんですけど、今の消防団の実態をしっかりと分析しているなというか、団員の声を聞いているなと思ったんですね。例えば消防団活動における行事、研修について、ポンプ操法の競技会や上越消防大会必要がないと思う団員が多いと書いてありましたけど、大体3割からの回答者がそういうふうにおっしゃっている。これは、ある意味で私驚きでした。でも、これは生の調査ですよね。そして、部隊訓練とか、人員、服装の点検とか、こういったものについても必要ないと、はっきりおっしゃる団員の皆さん方が結構いらっしゃる。それも私が想像している以上にいらっしゃるということがわかりました。先ほど市長が答弁されたように、今消防団の皆さん方は真剣になって再編というか、新たな消防団づくり、体制づくり、どういうふうにしていこうか今検討に入っておられますけど、私はこういう実態を踏まえて今後の計画をつくるときに、確かに体制をどうしようかという話もありましょう。団員確保のための力も注がなきゃならんということもありましょう。だけども、何よりも消防団を適切配置する中心は団員です。団員の皆さん方が気持ちが本当に本来、我々はこうやって市民のために役に立ちたいんだという、その思いがちゃんと発揮できるような仕組み、これつくらないと、どんなにどこどこの消防部とどこどこの消防部くっつけてみたり、ポンプ小屋を移動してみたりしても解決しないと思います。市長のほうで先ほど、もう既に行事のあり方等についても見直しは始まっているというふうにはおっしゃったんですが、私の最初の提言も含めた報告書を読んだ感想で言いますと、実態を踏まえた中で提言をまとめられている割には、消防団員から出ている不満に対する対応が今後の検討課題として先送りされているような印象を受けたんです。やっぱりこの部分をしっかりと分析して手を打たないと前に出ないんではないでしょうか。去年吉川の尾神分団の皆さん方が県大会へ行きました、小型ポンプ操法で。よくやっているなと思ったんですけど、いろいろ聞いてみると、やっぱり消防団員の皆さん方がいざ火事というときに駆けつけて、消防器具を使って消火活動に当たる。その訓練としてそれが即役立つかどうかというと、やっぱり疑問符もつくという話。やっぱり実践向きの訓練というのは、今これから必要になってきていると、こういう声も聞きました
 だから、私は思うんです。これまで何十年間上越市で繰り返されてきたいろんな訓練、今思い切って見直して転換をする、そういう時期に来ているんではないでしょうか。何かの大会のためにひまでをして、それこそ何遍も何遍も訓練する。だけども、実際それがいざというときに役立つだろうかということになるとみんな疑問を持っている。これは、やっぱり何とかしなきゃなりません。小川団長は、恐らく今回の報告書受けて大きな決断をしてくださると期待していますけども、私はこういった今の訓練等のあり方の改革を前面に出して、消防団の適正配置を進めていかないとうまくいかないと思うんです。担当の部長、あるいは市長、どちらかでも構いませんが、このことについてはどう思われるでしょうか。

 

ー市長ー

冒頭質問されるときの橋爪議員のお話の中に、消防団が意欲を持って地域の安全と安心を守ると、それがひしひしとあの報告書の中から感じられたというふうなお話の中と今の話は、私が答弁させていただいた中には、市民の皆さんに消防団員がどんなふうな思いでいるか、そのことの思いをわかってもらおうとして消防団員の声を3つ、4つきちっと挙げさせてもらいました。決して消防団の皆さんが今自分の思いの中で一生懸命やっておられるけれども、そこには大きく自分の中に矛盾を感じている。そしてまた、今ある状況を感じている。このことがおっしゃられているということを報告書、とりわけ消防団員がみずからまとめた中での思いにあらわれています。ですから、私は消防団員の皆さんの気持ちを市民の皆さんにお伝えしたい。その報告書の中の言葉を報告したい、その思いで答弁させていただきました。
 ですから、決してこの今のものは将来は明るいかどうかというのは非常に厳しい問題になります。少なくなってきた中で訓練をしないで、そしていざ現場に行ったときの二次災害があるんではないか、その心配も当然あるわけでありますので、今いる皆さんの気持ちを大事にしながらも、消防団員としての危険性、そしてまたこの奉仕、このことをどうやって消防団員の皆さんにきちっと理解していただくか。理解していただくためには市民からの後押しも必要だという思いで私は先ほど答弁させていただきました。その面では、橋爪議員の最初の質問とは少しニュアンスは違ったかなと思いますが、私自身は消防団員の気持ちを伝えていただきながら、今言う中での再編と言われるもの、AとBをくっつける、まさに3人では消防車乗れないんです。4人いなきゃ乗れないんです。その消防部の中に3人しかいなかったら、その消防は出ないんです。そのようなことを消防団員がひしひしと感じながら、そのことを我々に問うて、そして消防団員をどうするのかという議論をされているわけですので、そのことを、当然のことであります。その中心に消防団員を入れて結果的にAとBをくっつける、そんな簡単なものではないことは我々十分承知していますので、そのことをしっかりと取り組んでいきたいと思っているところであります。

 

 

令和元年 第2回(6月)定例会  06月17日

ー議員ー

まず、先日、上越市の消防団適正配置検討委員会の報告書というのが提出されました。私もそれを見たんですけども、非常に画期的な、取り組み自体も画期的だと思いましたし、あと内容も見た中で少し安心したという思いもございます。というのも、結構私と同じ思いを持った方もいらっしゃったということで、そういった声を見れたことも非常によかったですし、あと私もそれに、この報告書をつくるに当たって開催されたヒアリングにも参加させてもらいましたし、アンケートにも回答させてもらったんですけども、そういった団員の声が生かされている報告書かなと思っています。アンケートも結果を見ると、4,170人団員がいる中で、実に3,452人、82.8%の回答があったということで、これは非常に団員そのものも関心の高い内容なのかなというふうに思っています。それで、消防団活動に努めておられる方々には非常に敬意を表します。
 そういったこともありまして、この報告書を市長がごらんになって、団員数の減少についてどのようにお考えなのかということもお聞きしたいと思います。この10年で団員の数は478人減少しています。平成20年に4,658人いた団員が4,170人ということで減っていますし、平成20年、団員の平均年齢が34.3歳だったものが、平成30年では38.6歳、実に4.3歳上昇しています。こういったことからも、人口減少に伴うものも含まれると思うんですけども、団員になり手がいなかったりとかいうこともあります。この辺を市長がどのように捉えられているのかお聞きしたいと思います。
 次に、この報告書のサブタイトルとして、団員の負担軽減と効率的な消防団活動を支えるというすばらしいサブタイトルがついています。団員の負担軽減ということに着目していただいたのは非常にありがたいことだと思います。これが本当に生かされて軽減すればいいと思うんですけども、この団員の負担軽減、その負担というものについてどのようにお考えなのかお聞きします。

 

ー市長ー

近年、消防団員の高齢化や団員数の減少が全国で大きな問題となっており、その主な要因は、少子高齢化の進行や、進学、就職等に伴う人口流出により若年層の人口が減少していること、さらには被雇用者の増加や勤務形態の多様化が影響していると思っているところでありますし、これが一般的に言われているところでもございます。
 当市が設置いたしました消防団適正配置検討委員会が実施したヒアリングやアンケート調査におきましても、団員確保が困難な理由として、消防団活動を担う人材不足を挙げる声が最も多く寄せられたほか、交代勤務をしながらの訓練や活動は大変だ、せっかくの休日に家族で過ごす時間がとれないとの声や、消防団活動が地域に理解されていないとの声も多くあり、報告書では、団員を確保するためには消防団活動のPR強化と団員の負担軽減を図ることが必要とされてございます。
 さらに、将来を見据えた組織体制の見直しへの提言では、スケールメリットを生かして、団員の減少により活動の継続が困難となっている消防部を補完する体制をつくることにより、団員の負担軽減と消防団の機能維持を図ることが必要とされ、これは消防団がみずからまとめた再編案の姿と合致するものでもございます。
 実際に再編案の作成に携わった団員の皆さんからは、人員が集まらず火災出動ができないときもあったが、早期に出動できる態勢がつくれそうだ、これまでは夜警や各種行事、訓練の参加は特定の団員で対応してきたが、持ち回りでできることで負担が軽減となるなどの声が寄せられていると聞いています。
 また、御質問の行事、訓練の見直しによる団員の負担軽減についても、既に今年度実施の一部の行事について日程の変更や内容の簡素化などに着手しております。消防団では、引き続き現行の消防行事や訓練のあり方を検証しながら、廃止や簡素化、実施時期の変更などを検討する予定といたしてございます
 消防行事や訓練は、長い消防団の歴史の中で、消火活動や複雑多様化する自然災害等に団員みずからの安全を確保しながら適切に対応すること、また住民の理解を得ながら、地域に密着し、住民の安全と安心を守るために必要とされ、また培われてきたものでございます。私といたしましては、団員の皆さんお一人お一人がこれまでの消防行事や訓練の目的と意義をしっかりと理解していただきながら、また議論していただきながら、将来を見据えた建設的な見直しが進められることを願い、期待しているところでございます

 

ー議員ー

実は先月5月12日に上越方面隊のほうの再配置計画についての説明会というのがございまして、私も田植えの忙しいさなか、そこだけ抜けて参加してきたわけでございますが、その中で、説明の後、質疑応答の時間がありました。その中で、ポンプ操法という訓練ございまして、その操法のあり方についてということで参加者の方から御質問があった中で、それを見直していかないのかどうかということでありました。そのとき団長は、県のほうでも、上部大会があるもので、県のほうでやっていて、それがやっている限りはやめないとか、あとそれから一生懸命やられている方々がいらっしゃるのは知っていると。ですので、そういった方々がいるので、やめる考えはないという答弁をされておりました。ほかにも、負担軽減ということに関して、その後何人かからも質問がありました。私が出た回、その日、12日だけで4回説明会、各分団ごとにというか、ありましたが、その話もちらっと聞くところによると、うちの参加した時間帯よりも質問が、結構厳しい質問が飛んでいたとかいう声も聞きました。こういった声を直接我々消防団員が団長に向けて話をするという機会はまずほとんどなくて、それが非常にいい機会ではあったんですが、そのときに聞いた内容が余りにもちょっと団員の考えとかけ離れているというか、アンケートの結果を見ると、必要ないと思う行事、研修というので、各方面隊の操法競技会が1,135人、この分母は全部4,170なので、1,135人、実に32.9%、上越消防大会、これが1,032人、29.9%、市の1月にやる出初め式、これが988人で、28.7%、各方面隊のその前に市の消防点検、6月、今週末ですね、行われます市長点検、これが938人、27.2%、その次に各方面隊における出初め式、これが934人、27.1%ということで、実に3割近い方々が必要ないと思うというふうにおっしゃられております。その中で操法の競技会に関しては32.9%ということで、その中でも最も高い結果となりました
 それで、1つお聞きしたいんですけども、操法、ポンプ操法というのは非常に消火活動における中で基本とされる訓練でありますが、それを競技会、競技として成績をつけて、上部の大会があって、その上部の大会に参加するわけですが、何のために競技として行っているのか、何でその競技会に参加しなければいけないのかということをお聞かせ願えればと思います。

 

ー防災危機管理部長ー

最初に、団員への説明会のときの団長の意見で今御紹介ございましたけども、あの場では団長としては団長の意見を申し上げたというところでございます。基本的に皆さんとの話し合いだとか、今後検討していくことを決して否定したものではなくて、団長の思いというものをお話しされたというふうに思っています。
 今ほどの競技大会の話でありますけども、競技の、いわゆるポンプ操法を競技化するということ、それがどういう意味があるのかというのはいろんなところで団員の疑問が出ているというのは承知しております。ただ、いわゆる競技という大会に向けて練習をしていく、訓練を積んでいくということ、それは非常に厳しい訓練ですけども、そのことによって団員の士気だとか、または技術が高まっていくということも一方ではやっぱりあるわけでして、そういうことでいわゆる大会ということを目指して全員が一丸となって競技というものの鍛練をしていくというところの意味があるというふうに思っております。それが賛否ありますけども、それが競技化していていいのかという声もあるのも承知しておりますが、基本的にはそういうことが消防操法の基準、消防庁のあるところにもきちんと目的として書いてございますし、そういう目的でもってやっているということでございます。

 

ー議員ー

操法の競技会の理由についてということで、確かにそういった技術の向上という面で非常に重要だということはわかっております。その操法の訓練そのものにおいては非常に大事だということはわかっておりますが、その競技会というものにしたときによる弊害というのがやはりございまして、1番員、指揮者初め1番員、2番員、3番員、補助員、5人いるわけですが、競技会になると、その1番員、それぞれの動きがあるわけです。その動きをいかに素早く正確にしていくかということが非常に大事になるわけですが、その選手5人いて、指揮者は指揮者の動き、1番員は1番員の動き、それぞれの動きに非常に特化した練習を積み重ねてきていらっしゃると思うんですけども、そうすることによってほかの、例えばずっと1番員やっていた人間が3番の動きをしろとかということができないということになるわけです。それが実際の現場に行ってそれで使えるのか、使い物になるのかどうかということがあります。競技にしてそこに特化するよりも、それぞれの各団員が、みんながみんな指揮者初め1番から3番までの動きが習得できるような例えば訓練、週末にやられているような訓練の中でそういったことをするほうがよりいいんじゃないかという声をお聞きしますし、私自身もそう思っています。やはり消防団の活動というのは災害における対応というのが一番大事でありますし、とりたて火災における対応として操法というのは非常に大事だというのは理解しておりますし、そのために訓練することはいいと思うんですが、大会に向けての訓練、操法競技会、6月9日、私もその現場にいさせてもらったんですけども、いさせてもらったというか、動員かかったから行かなきゃいけなかったんですけども、その中で、団長の挨拶の中で県大会に向けて頑張ってこられた皆さんということでおっしゃられていたんですけども、そもそも違うだろうということなんです。県大会に向けてやっているのか、その目的というのがどこにあるのかというのをきちんと各団員に説明なり、皆さん多分そういうのは持っていらっしゃると思うんです。ただ、持っていない方がその操法の競技会というものだけに練習させられているというものが非常に負担感になると思うんです。そして、早朝だったりとか、仕事終わって帰ってきて夕方だったりとか、休日だったりとか、非常に皆さん一生懸命やられています。その本当に大会で上位目指して頑張っておられる部があることも重々承知していますけども、そうでない、必要だと思っていない方が32.9%いるということもきちんとわかっていただきたいと思っています
 先ほどのまたアンケート結果に戻りますけども、市長もそういった場で御挨拶されたり、団長とか消防署の署長さんとかが挨拶されるときに、ここにお集まりの皆さんの使命感とかやる気に満ちた表情と、ということを言われるたびに、3割ぐらい、やる気なくて来ているんだけどなというのがこのアンケート結果でわかるわけです。その現場にいて、そう言われてもな、動員かかって来ているんだけどなと常々思いながら、特に出初め式ですか、ことしはちょうど日程的によかったんですけど、ずっと例年正月の3連休の真ん中にやられていたんです。そこに動員かかって出るというのは非常に難しい部分がありましたが、それでも行っていたんですけども、やっぱりそういった負担感というものをどう減らしていくのか。ことしの訓練も一部内容が例年とちょっと違ったりとかして、あっ、変わってきたのかな、すぐ変えられた部分ってあったんだなというふうに思ったんですが、今後これから話し合いの中で進めていくとは思う、検討されていくとは思うんですけども、例えばどういうふうに変えていくのかとか、まだ出ていませんか。そういうのもし今のところあったらお聞かせいただきたいと思います。

 

ー防災危機管理部長ー

訓練の目的、意義、この辺、市長も答弁の中で申し上げましたけども、そのことを団員なりにしっかりと伝えて、その意味合い、意義というものをやっぱり理解してもらうのがまず一番大事なんだろうというふうに思っています。やはり幹部の皆さんはもうずっとやってきましたから、当たり前だろうということで、やっぱりそういうふうな言い方するんだと思いますけども、入ったばかりの方だとか若い方は何のためにやっているかよくわからないというのありますので、やっぱりその辺のことをしっかりとお伝えしながら議論をしていくというのが大事だ、それは市長御答弁申し上げたとおりであります。
 それから、今後のことなんですけども、例えば行事からすればもう既に、先ほど団幹部の辞令交付式と団幹部の規律訓練と同一日にしたりとか、短縮して午後やっていた研修も含めて午前中に終わるようにしたりとか、あと校外研修と総合研修を同一日にやったりとか、上越市消防点検もこれから時間短縮を図るようなことも考えておりますし、それから消防大会部隊訓練、これも今見直しを検討しているという状況であります。いずれにしても、今我々の気づき得る部分のところで始めていますし、これから方面隊長なりを中心に今度団の皆さんからも意見をまた再度吸い上げながら話し合いをして、どういうふうにやっていこうかというものもあります。やはり上に立つ幹部にしてみれば皆さんに命を失ってほしくない、命を失ってほしくないからこそ厳しい訓練なりそういうものが必要だというふうに思っているのは間違いないことです。これやはり命令する側にしてみれば、やっぱりだらだら現場で動いてもらっては困りますので、しっかりと命を守るための訓練だということ、それから皆さんにお披露目する、地域の皆さんに理解してもらうための行事であったりとか、そういう目的、意義がありますから、そのこともしっかりお伝えしながら、今後皆さんの御意見をしっかり聞きながら、どういうふうな見直しをしていくか、大きな変化はないかもしれませんけども、少しずつそういうことを着手できたらというふうに思っているところであります。

 

ー議員ー

大きな変化はないということでしたけども、できれば抜本的とまでは言いませんけども、本当に団員が自分たちのまちは自分たちで守るという、この気概というのは皆さん持っていらっしゃると思います。ただ、一つ一つの行事だとか訓練だとか、そういったものに関して、みんなが納得できて、参加できるような、そして無理のない範囲で活動できるようにしていただければと思っております
 報告書の中に、団員確保の困難な理由ということで、人材不足だとか活動が理解されないというのがありますが、3番目に親世代の嫌悪というのがあります。これ私も新入団員を勧誘する中で常々出くわしているところであります。うちのエリアは、平場の端っこのほうなんで非常に人が少ないんです。もともと人の多いところではないんで。人が少ない中で若い子たちも余りいない。たまたま帰ってきたとか、高校出たとか、就職したとかという情報をつかむとそこに行ってお話しに行くわけですけども、感覚として親御さんが消防団を経験されている方のほうが手ごわいです。なかなか自分のお子さんを入れようとしないという。本当にその気持ちもわからなくもないんです。その訓練とかいろいろ大変ですし。ちょうど4月からいろいろ訓練始まりますね。今週末も市長点検ありますし、そこからまた上越市消防大会とかといろいろありますけども、ちょうどうちのほうも、本当農村地帯なもんで、4月から6月の週末というと、皆さん仕事をされている方々、週末にどうしても農作業したいのに、そこに消防の訓練だとかイベントが入ってくるとなかなかできないということもありますし、小学校の運動会と重ならなきゃいいがなというふうにいつも不安に思っている人たちもいます。だから、そういうのもあって自分の子供にそういった思いをさせたくないという保護者の方、保護者というか親御さんがいらっしゃる。ましてや分団長までやった方のお子さんがなかなか入ってくれなかったりとかというのもございますんで、いかに消防団活動を何のために必要ということと、あとそんなに負担じゃないんだよということが伝われば入っていただけるのかな、昔と変わったよということがわかればいいのかなというふうに思っております。本当にその辺をわかりやすく変革していただければと思いますし、本当消防団員の確保がこれからますます難しくなってくると思います。ですので、早急にその辺、できれば幹部の方々だけではなくて、一般団員ですとか、そういった人たちの声もきちんと聞いていただく中で、例えばポンプ操法にしても参加を希望する部だけの参加にとどめておくとか、その分の訓練を通常の訓練としてやるですとか、そういった実態に即した訓練、行事というのをぜひやっていただきたいと思います。今本当これも団長のさじかげん一つではないと思うんです。部長以下、事務局として非常に頑張っていただいているのも存じておりますし、ですのでこういったところをなるべく早く、なるべく団員の声を反映した消防団の改革というのをしていただければと思います。こういったアンケートですとか、検討委員会の設置ですとかというのは今までなかったと思いますし、これというのは一つの本当に大きな契機になると思います。ですんで、それを、この4,170人のうち3割近い人たちが必要ないと思う行事、研修というのがあるわけです。そういったのを含めて今後どういうふうに変えていけるのかという、変えていけるか、いきたいかというふうなところをぜひ市長にお伺いしたいと思います。

 

ー市長ー

私は、消防団活動の経験はありません。ない中で消防点検で消防団の皆さんの活躍を見せていただく機会ありました。私は大潟に住んでいますが、この時期、春から操法の訓練するんでしょう。土曜日の午前中、日曜日の午前中も各消防部のほうで若者が集まって訓練します。そして、その訓練の中から選ばれて操法という競技に出てきているんだろうというふうに思っています。今ほどのお話の中では、要はその競技の目的のために訓練するという、目的と手段が少し逆になっている消防部もあるというふうなお話でありますが、多分今の消防点検なんかを含めますと、県大会に出場する、点数が何点、人を決めて、1番、2番、3番決めてやっていくという状況の中では、限られた人たちがそのことのために集中してやっているとすると、消防団全員の実力といいますか、技術そのものが向上はしないんだろうと思いますが、いずれにしてもそういうことの中で伝統のある消防団がそれぞれ団員を培ってきたということの経験も、今新しい人たちが入ってきて、社会の形態も変わってきて、勤める形態も変わってくるという状況の中では、一回やっぱり何かする必要があるだろうと。私は、実は正直言って、この消防団の適正配置を事務方で整理をすれば何かうまくまとまるんではないかなと当初思いました。しかし、もう3年がかりでこの作業しているんですが、今回初めて消防団の団員の皆さんに生の声を聞いて、実態がどうなっているか、それがわからなければ机上の空論になるということを思いつきまして、今回まだ今その作業をしている。それで、その作業が一定にまとまったとしても、各地区において10年がかりで再編していくというふうな、そういう息の長い取り組みになるんだろうと思っています今回の団員の皆さんにお聞きするその声は非常に貴重な声であり、時代の変化の中で消防団全体が考えていく、その大きなきっかけになるというふうに思っていますので、このアンケートをしてよかったなと思っています。
 もう一つは、消防団そのものがこれからどういうふうに歩いていくかということをみんなで考えるきっかけになったというふうに思っています。団長が言えば、はいというふうにして上意下達の組織であったかもしれませんけれども、ここに来てこのアンケートを通じて、消防団員一人一人が環境の違う中に頑張っておられて、その声が届いたということだと思います。そういう状況の中でこれからまとめていくわけですけれども、いざ災害、いざ火事が出たときに、今4,000人を超える消防団員いますけれども、それに即対応することができるのは多分今の25%あるかないかだと思います。そういう状況になってくると、全員が力を持った消防団でなければ、これもまた機能しないということを考えますと、その訓練といいますか、技術そのものを受け持ってもらうための努力も消防団の皆さんにはしていただきたい。そのしていただくときの方法としてどういうものがあるか、これが今まではこのポンプ操法という大会を通じてのきっかけだったと思いますが、今のような状況になるとこれが全てのきっかけになるというふうには思わない方が3割近くおられるということですので、そのこともしっかり踏まえながら、消防団全体の幹部会議、そしてまた各団員の皆さんの声を聞く機会をこれから持ちながら、消防部の編成、そしてまた消防団の活躍するためのきちっとした体制をつくっていく、そのための取り組みには今御意見いただいたようなものを大事にしながら取り組んでいければなと思いますし、取り組んでいかなければ消防団全体の力をかりる地域社会にはならないと思ってございますので、取り組んでいくよう、また消防団の幹部含めて我々自身がしっかりと議論していければなと思っているところでございます。

 

 

令和2年 第1回(3月)定例会  03月16日

ー議員ー

現在、消防団の適正配置に向けた検討が行われていますが、その内容は将来を見据えた組織体制の見直しと消防団員の確保に向けた取組が中心であります。団員の待遇改善については盛り込まれておりません団員からは、人手が不足している分、自分たちが仕事や家庭を犠牲にして補っている。団員が増えないなら、報酬や費用弁償などの手当を増額してほしいという声が多く聞かれております。当市の消防団員報酬と費用弁償などの手当は他の市町村と比較してどうなのでしょうか。県内の消防団の状況を勘案して、当市の消防団の待遇改善に向けた検討が必要と考えますが、どうでしょうか。

 

ー市長ー

消防団員の待遇改善についてのお尋ねにお答えをいたします。消防団員の報酬については、上越市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例で役職ごとに額を定めてございます。県内20市との比較では、団長や副団長などの幹部団員の報酬は、いずれの階級も20市の平均を下回っておりますけれども、団員の8割を占める一般団員の報酬額は平均を上回っている状況にございます。また、消火や水防、警戒、訓練などの活動実績に応じて団員に支給する、いわゆる出動手当につきましては、定額を支給している事例もあれば、活動時間または時間帯を単位として支給額を定めている事例もあり、さらには消火活動で放水した場合としなかった場合とで異なる支給額を定めている事例があるなど、自治体によって支給基準が様々であり、一律に比較することができない状況となってございます。
 御質問の団員の待遇改善につきましては、消防団適正配置検討委員会が実施した団員へのヒアリングやアンケート調査において消防団活動を担う人材不足を挙げる声が最も多く寄せられ、今後の団員確保のためにも行事、訓練の内容を見直し、団員の負担軽減を図る必要があるとの声が多くございました。これを受け、消防団では将来を見据えて団の機能を維持していくための体制づくりをはじめ、団員の負担軽減を図るための行事、訓練の見直しのほか、夜警や水利点検などの活動を効率的に実施する方策について検討を進めてきたところでございます。これらに関する令和2年度からの取組の一例として、団員の減少により既に消防団活動が困難となっている一部の消防部を隣接する消防部と統合するほか、新潟県の消防大会前に部隊訓練やポンプ操法を披露している上越消防大会は廃止すること、さらにこれまで消防部単位で行っておりました夜警を分団内の消防部が輪番で行う体制を整えるなど、でき得る取組から実施すると聞いておるところでございます。消防団では、まずは引き続き団の機能の確保と団員の負担軽減に向けた取組を着実に進めていく中で、今後負担軽減の効果や活動の実態を踏まえながら、団員報酬や出動手当の在り方も検証したいとの意向を聞いておりますので、市といたしましても、消防団による検証結果を踏まえながら、必要な措置を講じてまいりたいと考えてございます。

  

 ー議員ー

消防団員の待遇改善についてお伺いをいたします。私の住む地域の消防団では、毎年4月に入退団式が行われております。しかし、去年、おととし2年連続して入団者ゼロ、退団者のみという状況でありまして、入退団式の「入」がなくて、退団式のみという状況になっております。入団者がいない、したがって団員が減るということは、残る団員の負担が当然大きくなるということであります。
 団員の労苦、苦労に報いる一つの方法として費用弁償、手当の増額があるんじゃないかなというふうに考えております。上越市の費用弁償、手当、これは大きく分けると6つ、1つ、火災・災害出動、2つ、研修・訓練、3つ、会議出席、4つ、機械点検、5つ、山岳遭難、最後6つ目、警戒・夜警と細かに区分はされております。しかし、額は一律800円以上2,000円以下、他市と比較しても低額ではないかなというふうに感じております。いつまでもこれまでと同じように団員のボランティア精神に頼っている時代ではないというふうに考えております。団員のモチベーションを保つためにも早急な改善が必要と考えるんですが、いかがでしょうか。

 

ー防災危機管理部長ー

まず、団員の減少とか働き方の多様化に伴いまして非常に団員数が少なく、また昼間地域に残っている団員も少なく、出動のときに非常に支障を来すような状況も出ているというのも事実であります。そのような中で、恐らく議員のほうにお話あった団員もそうですけども、我々適正化配置をするときにアンケート調査もしておりますが、報酬に対して上げてくれという声というのはほとんどありません
 ただ一方、その根っこにある負担の軽減という部分について、まずしっかりやってもらいたい。それが団員を集めていくために必要だということの声が非常に多くございました。そういったことで、先ほど市長が御答弁いたしましたとおり、負担の軽減だとか、少なくなっても今度共同で出動できる体制というのを整えながら負担の軽減を図っていこう、訓練も見直していこうということで今消防団が自らしっかりとやっているのが現状であります。ただ、今議員おっしゃるとおり、20市を横並びで比較しますと、やはり我々のほうの出動手当等が低い部分もあります。ただ一方で、団の運営費としてほかにはない運営費を団員1人当たり2,000円とかという頭割りで出しているという部分もありますので、トータルで見るとそうではありませんので、そういった意味で団員からそういう声が出てこないというのも1つあるかなと思いますが、いま団の中で一つの根本になる負担軽減というものはしっかりと見直しながら、今おっしゃったような流出との比較の中で必要な手当をしっかりと出していくこと、それから手当の額ももう一度負担の割合との見合いの中でどうあるべきかということを考えるということになっておりますので、市といたしましてもその辺の経緯もしっかりと捉えながら、必要な手当てを講じていかなきゃならないという認識は持っておりますので、そのように取り組んでまいりたいと思っております。

 

 

 

上越市消防団の情報はこちら

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