海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

長野県 長野市②

長野市は平成30年12月、消防団員に対しアンケート調査を実施しましたが、なぜアンケートを取ることとなったのか。そこには市民の声を聴き、消防団の問題点を見い出し、変えていくべきだと声を上げる議員さんの存在がありました。 

 

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長野市 平成30年9月 定例会 09月12日-02号

ー議員ー
 消防関係についてお尋ねします。
 西日本豪雨災害では、改めてハザードマップなどによる災害対策と猛暑続きの対応が求められ、消防署、消防団の役割は一層重要になっています。
 アとして、消防職員の中に大型免許等の取得がないため、消防車両を運転できない署員が100人を超えていると聞きました。免許取得のため、費用の半額援助で自己負担10万円から13万円掛かり、休日を利用して年間15人から20人をめどに進めていますが、業務に必要な免許は、個人負担なしの特別有給休暇で対処すべきですが、答弁を求めます。
 イとして、先日、地元紙に掲載された消防団活動の負担についての記事を見ました。意義とやりがいがある一方、負担なことは何ですかの問いに、ポンプ操法とラッパ吹奏の大会、お盆と年末年始の警戒などが挙げられています。市の消防団員の本音や今後の消防団活動をどのようにしていくのかなど、また、団員にアンケートを直接とることも必要ではないか、答弁を求めます。
 ウとして、消防団員の報酬が中核市54団体中、下から2番目の年1万8,000円、中核市平均の52パーセントにとどまっています。交付金は1団員当たり3万6,500円交付されています。今後の報酬引上げについて伺います。

 

ー消防局長ー

中略
次に、消防団員の活動と報酬の引上げについてお答えいたします。
 地域防災力の中核である消防団の活動は、ポンプ操法やラッパ吹奏大会は、技術の向上と士気高揚を図る目的で開催され、お盆を中心に地区の花火大会等の警戒や年末警戒などは、地域とのきずなを深め、地域防災推進に対する住民の理解を得るとともに、社会貢献を図れるよう活動いただいているものでございます。
 議員御指摘のように、どちらもやりがいがあると言われている一方、負担もあることも承知しております。
 そこで、消防団本部からも特定の人に負担が集中することないように各分団へ指導しておりますが、消防団活動のアンケートも必要と考えられますことから、消防団本部に提言してまいりたいと考えております。

https://ssp.kaigiroku.net/tenant/nagano/SpMinuteView.html?council_id=788&schedule_id=11&minute_id=253&is_search=true

 

 

 

長野市 平成30年 9月18日 総務委員会 09月18日-08号

ー総務委員(議員)ー

 私も消防団に関係する話なんですけれども、先日、信濃毎日新聞にも消防団活動の負担ということで記事が出ていました。私も本当にそうだなと思って、あとは私も古里分団の一団員として、皆さんと一緒に活動する中で、物すごく負担感があるということが本当によく聞かれます。
 一つ、本会議で話題になったのが、年報酬とかなんです。消防団員になる人は、消防活動するということで、ほぼボランティア感覚で、その辺に関して、そんなに不満とかはないんです。
 ただ、2つ大きな負担感があるなと。1つがポンプ操法大会、これが物すごく負担で、そのポンプ操法出る年になったら、5月の連休過ぎからほぼ毎日のように、下手すれば早朝3時、4時代から練習しなければならなくて、本当に体力的にもきつくて、家族にも負担を掛けてしまって、家庭崩壊になりそうになったというような声も聞いております。それが本当に消防力の強化、充実になるんだったらいいんですが、どうも競技性とかイベント性のような、そっちの色合いが強いんじゃないかなと。
 だから、本当に地域の防災力の向上になるのかどうか、どうも納得がいかない、その割には負担感が多い、これ何とかならないでしょうかということを言われるんですが、ただ、多分それ決めているのは、消防団の全国組織、簡単にはいかないとは思うんですが、そういうことがあると、私たちは消防団員の確保のために、個人個人で知り合いのところに頼みに行ったりするんですが、ポンプ操法大変なんですよねと言われたときに、うっと詰まってしまう。そんなことないよと言いたいけれど、確かに大変だと、そういうふうになって、だから、団員の確保にも、それが実際つながってくるんですが、まずポンプ操法に関しての認識はいかがでしょうか。


ー消防局長ー

 委員御指摘のとおり、私どもとすれば、やっぱり技術とか磨いていただければいいことで、大会で勝ってほしいとか、そういうことは考えておりません。
 一番は、分団長の考えですね。伝統のある、今まで全国大会出たとか、県大会出たとか、そういう分団については、よし、今年もやってやろうという分団長や幹部の方の思いが強ければ、やっぱり早い時期から、早い時間でと、すごい負担がかかっていると思います。
 逆にそういうものがない分団については、そこまでやらなくていいよということで、緩やかになる、そんな感じもあるんで、やっぱりこれは分団長とか幹部の考え方が一番強いような、私はそんな感じがします。消防局からは、やれやれとは指導はしておりません。

 

ー総務委員(議員)ー

 おっしゃるとおりだと思います。ただ、消防団の縦社会の組織の中で、団員は、俺のときはやろう、じゃ君が班長のときに、それやめてくれるかと言ったら、いや僕のときには勘弁してくれと、やっぱり変えることができないというふうになってしまって、ずるずるいっているなというのがあるので、その辺、もっと物の言いやすい……。
 また、私なんかが一番子供の多い世代なんですけれども、第三次ベビーブームは来なかった、そういう世代が今度消防団を担わなければいけないんですけれども、数が少なくなっているんで、今、本当に消防団の変革期ということで、そういった課題が、消防団の中で決めるものなんだけれども、切実にある、それが消防団員の確保になかなか難しい、ブレーキになっているなということの認識をしていただきたい。
 もう1点が年末警戒も同じようなところです。3日間ある、その内1日出ればいいよとか分団によって様々あるんですけれども、うちの分団は3日間出なければいけなくて、例えば家族と何年も紅白歌合戦見られないとか、仕事を終わって、やっと家族との団らんのときに、3日間とられてしまうとか、後は、これは消防団員の奥さんに言われたのが、今年もアルコールがついてきて、それ必要なんですかと言われて、私も必要ないと思うんです。でも、それ分団で決めているんで、分団で変えてもらうしかないんですが変えられない。でも、それがやっぱり負担になっているんで、そういったことを3日を1日にする、何とかそういった是正とかができれば、その2点本当にいろいろ話していて、誰に聞いてもほぼ同じような意見、大きな負担になっているんで、その負担を減らしてあげることによって、団員の確保がもっとしやすいようになるんじゃないかと思うんで、何かできるように工夫を、またお願いしたいと思います。

 

ー消防局長ー

 北澤委員からも御指摘あったとおり、本当に消防団自体が再編しなければ駄目な時期に来ているんだと思います。

 団員確保、中山間地域もそうなんですけれども、そちらってなかなか若い人がいない、その中で、分団を成り立たせるためには、全然住所の違うところから、所属は、中山間地域の分団、中心市街地も同じだと思うんですよね。周りで住んでいらっしゃって、何かあったら中心市街地で活動される、そんな無理してやっていらっしゃる分団もあります。それで、国の基準でいきますと、長野市であれば57分団で済むところ、今74分団ありますので、年報酬の話もさっきちょっと出ましたけれども、年報酬の関係も上限が国の基準の地方交付税の算定基準になります。来るお金ではないんです。算定基準でいっても、2,206人、長野市の規模でしたら。そこを今3,372人、これだけの団員がいますので、それを全部報酬から装備から車両からといっても、ずっとこのまま続けていかれないと思うんで、これは消防団本部とも協議しながら、そういう再編というものも考えて、分団数を少なくするとか、そういうことを考えながら、団員の負担を少しずつ抑えていって、団員を確保するという方法も必要じゃないかとは私は思っております。

 

ー総務委員(議員)ー

 本会議でも取り上げさせてもらって、それで、新たにアンケートも検討したいということなんですが、塩入委員は知っていると思うんですけれども、消防団のポンプ操法の関係で、殉職された人もいたり、直接じゃないけれども、練習の後、救急車で運ばれたと、私の地域でも練習中に肉離れやって、それで大会に無理して出たような気がするんですけれども、要するに、私も大会とか、そういうところでは、ふだん使わない筋肉を使うもので、それで、肉離れとか、事故を起こさないようにということは、言ってはいるんだけれども、実際にはちょっと違って、けがの可能性があると思うんで、その期間、もし分かる範囲内で、そういう報告があって、障害や、それから補償とか、そういうのがどの程度あるのか、その辺のところの実態を教えてもらいたいです。

 

ー消防局長ー

 訓練中であっても、消防団の方は公務災害扱いになりますので、治療費とか、全て公務災害の方から出るようになっております。

 

ー消防局主幹兼警防課長補佐ー

 昨年の実績についてお答えします。
 昨年は6件ありまして、そのうち2件は継続しているもの、その他4件で、ポンプ操法については3件、あと吹奏楽の訓練中に1件発生したものでございます。
 また、本年につきましては、15件発生しておりまして、そのうち2件は前年度より継続しているもの、その他の13件につきましては、ポンプ操法中のけがという形になっております。

 

ー総務委員(議員)ー

 継続というのは、長期ということ、長期治療ということですか。

 

ー消防局主幹兼警防課長補佐ー

 1件につきましては、先ほど阿部委員の御指摘のありましたポンプ操法後に倒れて救急車で運ばれたという1件です。

 もう1件につきましては、昨年吹奏楽の練習中、楽器を足に落としましてけがをして、それが年度をまたいでという、その1件でございます。

 

ー総務委員(議員)ー

 なかなか大勢の人が参加するから、けが人が無くなるということがないと思うんだけれども、十分消防団員の皆さんにも注意しながらやっていただいて、無理のないようにやりながら継続できるようにしてもらいたいということです。 

https://ssp.kaigiroku.net/tenant/nagano/SpMinuteView.html?council_id=843&schedule_id=1&minute_id=420&is_search=true

 

 

 

長野市 平成30年 12月12日 総務委員会 12月12日-11号

ー消防局長ー

 次に、消防団関係について申し上げます。
 9月定例会総務委員会及び11月7日の総務委員会協議会でも御提言いただきました、若手消防団員の意識調査については、現在、消防団本部と協議を重ね、団員階級の皆さんを対象にアンケート調査を実施して、率直な意見を収集してまいります。

https://ssp.kaigiroku.net/tenant/nagano/SpMinuteView.html?council_id=897&schedule_id=1&minute_id=303&is_search=true

 

 

 

議員さんは、市民の声を聴きながらポンプ操法大会などの現在の消防団活動に問題があることを認識し、変えるための「きっかけ」を作る為に動きました。

 

声を上げて行動することで世の中は変わっていきます。

 

小さな声が集まることで大きな変革のきっかけが生まれます。

 

 

 

www.kaibaratomoaki.info

 

 

 

今回掲載した議会の議事録は消防団の問題点が凝縮されています。是非読み返してみてください。

 

 

長野市消防団の情報はこちら

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