海原友明の消防団改革のすすめ

消防団を取り巻く問題の中でまずすべきことは「操法大会の廃止」です。この大会があることによって苦しんでいる全国各地の実態や私の思いを紹介します。

千葉県 長生郡 長生村

千葉県長生郡長生村の令和2年定例会9月会議では、地域の消防団員から「団員確保の問題や操法大会の負担が大きいことを議会で取り上げてほしい」と切望されたことを報告しています。団員の方々はこのままの状態が続くようであれば、みんなで辞めてしまおうかと言っているそうです。

 

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令和2年定例会9月会議(第2日)

ー議員ー

まず1点目の質問事項、消防団員確保の現状についてであります。村の消防団の方々からの声は、「新しく団員を確保するのが非常に難しい。この問題についてぜひ議会で取り上げて一般質問をしてほしい」と、そういうことを強く言われてきました。この議会の皆様にも、多分、経験した方がいらっしゃると思いますので、いろいろと私に代わって、質問をお願いしますという問いかけもしてきましたけれども、結果的に私が今回質問することになりましたのでよろしくお願いをいたします。

村の消防団員の確保の現状について伺いたいと思います。困難だというふうに私は聞いておりますので、その原因についてどうなっているかということを伺いたいと思います。

2点目は、消防団員の確保に向けたアンケート調査を行った経過があるのかということをお聞きしたいと思います。もし、実施されているということであれば、その結果から何が言えるのかということを伺いたいと思います。

 

ー村長ー

消防団員確保の現状についての1点目、村の消防団の確保が難しくなっていると聞いています、村の消防団員の確保の現状について伺います、困難であればその原因を伺いますとの御質問ですが、長生郡市広域市町村圏組合消防本部に確認したところ、本村の消防団員の定数は169名に対し、4月1日現在での登録団員数は161名となっており、定数に満たない状況となっております。なお、定数に満たない消防団の団員確保における事情は様々であると思われますが、その要因を村で調査しておりませんので、お答えはいたしかねます。
2点目、消防団員確保に向けたアンケート調査を行った経緯がありますか、実施されたなら結果から何か言えるか伺いますとの御質問ですが、消防団員確保に向けたアンケート調査が実施された経緯について、長生郡市広域市町村圏組合消防本部に確認したところ、直近で本調査が行われた経緯はありませんとの回答でありました。

 

ー議員ー

団員確保の原因を調査していないとのこと、そして長生広域消防団で直近でアンケートを取ったことがないとのことでありますが、平成29年10月5日付けで長生広域消防が県から依頼されたアンケートを県の防災危機管理部消防課に提出していることが分かりました。そして、総務省消防庁から消防団員の確保方策等に関する検討会を開き、4回議論してきたことも分かりました。その報告書が平成30年1月付けで総務省のネットに出ていることも分かりました。※1
まず、広域消防が平成29年10月5日付けで県に提出したアンケートの結果、これを広域消防の方に連絡を取りまして、いただくことができました。この原本は、総務課長の方にも行っているということであります。これを見ますと、新入団員の確保が困難から始まって高齢化で大変だとか全ての活動に参加できる団員の確保が困難だとか、全て困難であるという丸表示がついておりました。
それから、これはアンケートそのものの中から拾っていたんですけれども、昭和30年に200万人ぐらいまでいた消防団員が、平成2年には99万6,000人、そして平成29年には85万人と急激に消防団員の数が減ってきているという現実があります。
そしてまた、資料の6、課題の問い1では新入団員の確保の困難は83%ということも表で答えておりました。したがって、消防団員の確保が大変厳しいとの調査結果であります。この認識、これに対する考え方を答弁願いたいと思います。

 

ー総務課長ー

議員の御質問の消防団員確保に向けたアンケート調査を実施したことがあるかという御質問でありましたので、私どもでは広域の方にそのアンケートがございますかということを問い合わせさせていただきました。そのときにそうした名称のアンケートは、過去に実施された経緯がございますが、それは平成16年のときに行われたものだということでありましたので、先ほど、村長が答弁させていただいた内容につきましては、それに基づく答弁となっております。また、広域がその調査を報告しておりますのは、消防団の組織概要等の調査というアンケートの調査でございまして、今、その内容があるというのは、その1つの問いの中にそれがあるという内容のものでございました。

そして、今、お話のありました消防庁の資料編の中にあります、今の団員数の減少の状況につきましては、先ほど議員の方からも御説明がありましたけれども、昭和30年の団員数が194万人、そしてそれが徐々に減少して現在に至っているということにつきましては、これは長生郡市広域市町村圏組合消防本部の設立が昭和46年ということで、それ以前のこの数字となっているということであります。こういった状況から全国的にも常備消防の設置や非常備消防の統合などが進められたことによりまして、団員数が減っているものというふうに思われます。

また、新入団員の確保につきましては、消防団員が自らの地域は自らで守るという郷土愛護の精神に基づき、地域防災力向上のため、地域を挙げて確保に取り組まれておりますが、やはり、事情は様々あるものと認識しているところでございます。

 

ー議員ー

最高194万人もいた消防団員が100万人を切っているという驚くべき状況であります。この原因については消防手当とか団員の処遇の改善などの問題もありますけれども、私が消防団員の方々から直接伺いますと、操法大会の問題が一番あるようでございます。操法大会に向けた練習など、多くの時間を取っているということであります。

それから、自分の自治会の中で新しい団員を確保しようと思うと、全員自治会に入っているわけじゃありませんから、どこにその対象者がいるか分からないといって困っている。そうこうしているうちに団員が見つからず高齢化している、もう新しい人が入ってこないんだから、一層のこと全員で退団しちゃおうかという声も聞こえております。

この現状を広域の副管理者であります小高村長はどのように考えておられるか答弁をお願いいたします。

 

ー村長ー

先ほど答弁したとおり、事情は様々あろうかと思いますが、消防行政は長生郡市広域市町村圏組合消防本部の所掌であり、第6支団、この村の第6支団の活動に影響が出ているとの報告は受けておりません。しかし、今議員がおっしゃったような意見が団員の中にあるとすれば、前途が危惧されるところと感じております。

 

ー議員ー

これから副管理者であります小高村長にお聞きするわけでありますけれども、1つは、操法大会の練習3回の大変さを改善する何か策はお持ちでしょうか。伺います。

 

ー総務課長ー

お答えをさせていただきます。操法大会はそれぞれの職業の傍ら、日夜、地域の消防活動に従事している消防団員が日頃の訓練の成果を発表し、披露、実演することにより、消防操法技術の向上と士気高揚を図り、地域防災体制の強化に役立てるため実施されております。こうしたことを踏まえた上で、各部、地元の消防団が方策を検討していただくべきと考えております。

 

ー議員ー

各地区の消防団がうまく新しい団員を確保できないから苦しんでいるという現実なんですね。各地区で考えてくれということだと、ちょっとそれは厳しい、冷ややかであるなと思います。

私が伺ったことの中にこういうことを言われました。例えば、操法大会を八積、一松、高根と3つの地区がありますけれども、毎年、全部の消防団員を集めて操法大会じゃなくて、今年は八積地区、来年は一松地区、その次は高根地区というふうに回していく。加えて、希望する消防団の方については入ってやってもらうと、そういう改善の策、方法もあるのではないかと、ちょっとそこを聞いたんですけれども、いかがでしょうか。

 

ー総務課長ー

ただいまの御質問につきましては、広域市町村圏組合消防本部によりまして、実施要領を定めて実施しているところでございますので、村としてお答えすべき内容ではないと思っております。

 

ー議員ー

そうかもしれませんけれども、それも1つの考え方、やり方、回し方ですねという言葉はなぜもらえないんでしょうかと思いました。

次に、消防団員の確保に向けて、自治会内で情報が欲しいということなんですね。「誰がどこに何歳ぐらいの人が住んでいるか分からないということで、加入のお願いに行こうとしても、どこに行っていいか分からない」、そういうことを聞きました。これについての改善策はありますでしょうか。

 

ー総務課長ー

先ほどの御質問は、消防団員の確保に向け自治会内の情報が村から提供できないかという趣旨の御質問でありました。村といたしましては、地元にこういった方がいらっしゃいますというそういったことは個人情報保護の観点から情報提供が困難となります。よって、これまで同様に地元で情報共有をお願いしたいと考えております。

 

ー議員ー

私も苦しみ紛れに考えたり、あるいは提案をいただいたりの中のお話ですけれども、選挙人名簿というのがございますよね。もちろん、選挙のために事前に閲覧できるわけですけれども、そして、一定の期間が過ぎると破棄しなければいけない。これはもちろん分かっています。その選挙人名簿を閲覧して情報把握するということについては可能ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

 

ー総務課長ー

それは目的が異なりますので、それを利用してということにはならないと考えております。

 

ー議員ー

何かいい策がないですかね。情報を、本当に苦しんで苦しんで、新たな消防団員を確保するための情報を得る手段がなかなか見つからない中での今の聞き方をしたわけですけれども、それもままならぬということであります。これ以降の課題として、何かいい方法がないかなということを、もし、私も考えますけれども、執行部の方でも、あるいは村長に何かいい策があれば今後教えていただきたいと思います。

 

※1 総務省消防庁が平成30年に報告した「消防団員の確保方策等に関する検討会」

https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/kento206_28_houkokusyo.pdf

 

 

 この地域は、茂原市、長生郡県一宮町、睦沢町、長生村、白子町、長柄町、長南町の1市5町1村が設立している「長生郡市広域市町村圏組合」(ちょうせいぐんしこういきしちょうそんけんくみあい)にて消防本部を設立しています。

 

長生郡市広域市町村圏組合議会の平成30年第2回定例会では、消防団について質疑応答されており、その中で消防長は、消防団員の確保が難しい要因の一つに、全国的に開催している操法大会のための訓練がある事を承知していると答弁しています。

www.kaibaratomoaki.info

 

 

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